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検体番号17 <MAKE UP CITY(メイクアップシティー)>

17 カシオペアは皆さんご存知の様にジャパニーズ・フュージョンのスタンダード的存在のグループです。ファンも多いので多分この解析は賛否両論あると思います。しかし、カシオペアなくしてジャパニーズ・フュージョンを語るなかれ・・という訳で、名曲・名演数あるなかで今回解析するのは「CASIOPEA(カシオペア)」の<MAKE UP CITY(メイクアップシティー)>(1980年発表)です。

1.Gypsy Wind (Issei Noro)
2.Eyes of Mind (Issei Noro)
3.Reflections of You (Minoru Mukaiya)
4.Ripple Dance (Akira Jimbo)
5.Life Game (Issei Noro)
6.Make Up City (Issei Noro)
7.Pastel Sea (Tetsuo Sakurai)
8.Twinkle Wing (Issei Noro)

(g) 野呂一生, (key) 向谷実, (b) 桜井哲夫, (d)神保彰

1.Gypsy Wind (作曲Issei Noro)

ハイハット&スネアワークのコンビネーションが印象的なドラムパターンとメロディーが絶妙に絡み合うナンバーです。JAZZを意識した野呂さん独特のソロが光ります。

2.Eyes of Mind (作曲Issei Noro)

今でもカシオペアを代表するナンバーです。4人の演奏とは思えない分厚いイントロ(オーバーダブあり)が印象的です。また、キレの良いキメも彼ら独特。そして何より起承転結の曲構成が見事。ギターとシンセがユニゾンで聞かせるサビが曲を盛り上げます。

3.Reflections of You (作曲Minoru Mukaiya)

向谷さんの曲でローズピアノが歌います。何となく夜の情景を思い出させます。また、野呂さんのアコースティックギターのソロが絶品です。

4.Ripple Dance (作曲Akira Jimbo)

神保さんのカシオペア初作品です。ドラム暴れてます。失礼ですが「スティーブ・ガッド」が浮かんでしまいます。特にハイハットとライドシンバルの使い方とタム回しはガッドを相当研究したのでしょうね。しかし、そこは神保さん、ガットのようにタメ過ぎない事でスピード感を増してます(と言うより、そう聴かせています)。またこの曲での桜井・神保のコンビネーションはその後のカシオペアとしてのリズム隊のあり方を示している重要な作品です。

5.Life Game (作曲Issei Noro)

今ではあまり演奏されない曲ですが、個人的にはメローディー大好きです。ボコーダーも印象的です。題名はあの「人生ゲーム」なのでしょうか?この曲からこの題名もある種、私的FUSION(笑)

6.Make Up City (Issei Noro)

Cm9から半音ずつ落ちてくるイントロとオクターブ奏法が印象的な曲です。ソロも正に野呂さん印です。本当に野呂さんのオクターブ奏法はこの曲に限らずよく歌います。シャッフル?しているハイハットも独特のノリを作っています。ドラムスの友人曰く「この曲が一番リズムキープが難しい」との事でした。

7.Pastel Sea (Tetsuo Sakurai)

桜井さんの曲です。フレットレスベースが印象的ですが、それにもましてフレットレスギターと「ポコポコ」としたシンセソロが妙に曲にマッチしてます。

8.Twinkle Wing (Issei Noro)

4ビートとブギー?をミックスしたようなカシオペア独特のリズムです。ピアノソロが光ります。結構あっさりとした感がありますが、この曲調でノリを出すのは難しいと思います。今更ながら個々の実力には頭が下がります。

以上、この作品はとにかくメロディーよし、リズムよし、演奏よしの三拍子がそろっています。特にギターは個人的にカシオペア作品中で1番好きです。野呂さんのジャジイーさが堪能できる作品です。また、神保さんのカシオペアでの初スタジオ盤と言うこともあり、その才能には驚くばかりです。

また、ジャケット裏に「SPECIAL THANKS TO “HIDEKI MATSUTAKE” (SYNTHESIZER MANUPILATION)」とクレジットがあります。ご存知「YMO」第4のメンバー松武秀樹さんです。多分「PROPHT-5」のプログラミング?だと思いますが、意外でした。アルファーレコード絡みでの参加だと思います。やはりキーボードの音色には相当気を使ったのでしょうか?それともジャッケットに記されている「我国初の32トラック・マルチ・レコーディング・・・デジタル録音」の関係なのでしょうか?ご存知の方、教えてください。

さて・・・ここが私的FUSION・・・

このアルバムは「THUNDER LIVE」の後に発表されたわけですが、この時の演奏は当時、非常に話題になりました。「天才ドラマー出現」といった見出しが各音楽雑誌に載ったのです。否が応でも期待は高まります。当然リスナーもカシオペアメンバー本人も「スタジオ録音の新作」を望んだのは言うまでもありません。

そんな期待を外さない作品がこの「MAKE UP CITY」なのですが、問題はこの後発売された「EYSE OF THE MIND」です。「MAKE UP CITY」路線で突進むかと思いきや、聴きやすい今で言うスムースジャズ系?のアルバムになっています(このアルバムも好きですよ。誤解のないように)。メンバー本人達がこの「EYSE OF THE MIND」をどのように捉えているかは定かではありませんが、次にリリースされた6枚目「CROSS POINTO」がどちらかと言うと「MAKE UP CITY」の延長線上に位置し、結果的にこの「MAKE UP CITY」の評価が高まったといえます。何れにせよ初期(第二期)カシオペアとその後を決定付けた重要作品だと認識しています。ここが私的FUSION。

***1980年のヒット曲*** 青い珊瑚礁、ユー・メイ・ドリーム、テクノポリス、ライディーン

それじゃ。また。

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コメント

初期のアルバムで好きなのは「MINT JAMS」なんですけど、そのアルバムまではわりと万遍なく聞いていると思います。
あとはFMのライブ番組も増えてきたし、だんだんニュー・アルバムを聞く回数が減ってきました。
 カシオペアの場合、曲を覚えてなくても楽しめるところがあるので良いんですけどね。

投稿: WESING | 2005/11/07 21:01

WESINGさん。コメントありがとうございます。
<カシオペアの場合、曲を覚えてなくても楽しめるところがあるので良いんですけどね>・・・なるほど、そうかもしれませんね。カシオペアにしてもスクエアーにしても、メロディーと演奏のバランスがとれていて、尚且つ聴きやすいところが長い間支持される要因かもしれませんね。楽器演奏者の為の音楽になり過ぎないのがポイントでしょうか。
「MINT JAMS」は私も大好きで、何故かこの作品でBASSに目覚めてしまい、あのソロをコピーした想い出があります。また「MINT JAMS」での「TAKE ME」のソロは私的に野呂さんのベストテイクだと思っていますから。

投稿: FUSION | 2005/11/07 21:21

ハーヴィー・メイスンがプロデュースしだした頃からカシオペアを聞かなくなったくちです。「カシオペア」「スーパーフライト」「サンダーライブ」は持っています。本作は「買わなきゃ」と思ったまま20年以上が経過してしまいました(笑)。さっそくアマゾンで注文します!(在庫がありますように・・・)。ちなみに私のフュージョン初体験は「ミッドナイト・ランデブー」でした。

投稿: major_keys | 2005/11/08 21:36

major_keysさん。こんばんは。
<ハーヴィー・メイスンがプロデュースしだした頃からカシオペアを聞かなくなったくちです>・・・そうなんですよね。この辺からファン層がはっきりと分かれるんですよね。ですからmajor_keysさんのブログからうかがい知れる趣味から考えると必然的とも言えるのではないでしょうか(違ったらすみません)。多分、初期の緊張感が好きな人は「EYSE OF THE MIND」でさよならみたいな感じです。実際私も好きなのは「JIVE JIVE」くらいまでです。その後も購入していますが、今度は曲の当たり外れが目立ち、結果、宝探し的な聴き方しか出来なくなってきました。でも、購入を続ける自分がちょっとだけ笑えます(ホントに笑)

投稿: FUSION | 2005/11/08 22:08

さっそくAmazonで注文しました~! ついでに「4×4」も注文しちゃいました~!

> 必然的とも言えるのではないでしょうか
ピンポーン!です。

> 曲の当たり外れが目立ち・・・
ときどき頭乗りのダサい曲が混じっていますよね。あれだけはやめてほしい。

投稿: major_keys | 2005/11/08 23:15

major_keysさんへ。
・・・<さっそくAmazonで注文しました~! ついでに「4×4」も注文しちゃいました>・・・素晴らしい機敏性ですね。「4×4」も同時購入がポイント高いですね(笑)。

投稿: FUSION | 2005/11/08 23:45

「メイク・アップ・シティ」、「4×4」到着!

投稿: major_keys | 2005/11/12 08:54

私は「4×4」をLPでしか所有していない事に気付きました(笑)やっぱりCD買おうかな?

投稿: FUSION | 2005/11/12 14:07

本日、電車を往復2時間ほど乗ったのですが、ずーっと「メイク・アップ・シティ」と「4×4」を聴いていました。「メイク・アップ・シティ」、すっげーカッコいいです!「スーパー・フライト」が私の中のベストだったのですが、今日からこちらをベストにします。「4×4」はカセットテープを持っていたので曲は知ってました。

投稿: major_keys | 2005/11/12 20:56

major_keysさんへ
気に入ってくれたようでよかったです。実は「いまいちかな~」なんて思われたらどうしようと心配していました。ホッと一安心(笑)

投稿: FUSION | 2005/11/13 10:37

私は彼らのアルバムではこれが一番好きです。
全曲素晴らしいです。
使用楽器がこの後の数年でデジタル系に変わってしまうんです。
本作は、アコースティック・ピアノとローズがまだまだ
キーボードの中心なんです。

投稿: Sken | 2008/02/05 22:28

Skenさんへ。コメント感謝致します。

同感です。私もカシオペアのアルバムではこの「MAKE UP CITY」が一番好きです。何時聴いても飽きさせない素晴らしい楽曲が満載ですよネ。
正直、お恥かしい事ですが、私、キーボード関係は全く持って無知なのでよく分かりませんが・・・今の時代のサウンドよりは断然この当時の方が好きです。

投稿: FUSION | 2008/02/05 22:39

メイクアップシティのライナーノーツにおける竹村淳さんの解説がひじょうに的を得ていてイイですよね。最後には「そう遠くない将来に、カシオペアが日本の新しいリーダー・グループになるとぼくは確信します。」と書いてあるんですが、いやはやまったくその通りでした(笑)

投稿: Cleatone558 | 2008/05/19 23:34

Cleatone558さんへ。コメント感謝致します。

はじめまして!お立ち寄り有難う御座います。
カシオペア・・・仰る様に日本のフュージョン・シーンをリードしてきた素晴らしいグループですよネ。このメイクアップシティはカシオペアが本当の意味でその後の動向を決定付けた記念碑的アルバムだと思います。Cleatone558さんもそうである様に私も今でも愛聴して止まない作品です。

最後になりましたが、今後も宜しくお付き合い下さい。

投稿: FUSION | 2008/05/20 21:04

10年以上も前の記事への書き込み失礼いたします。

このアルバムの松武さんの参加ですがプロフィット5の他、向谷さんが当時持っていなかったであろうミニモーグ等、数台のアナログシンセのマニピュレーターとしての参加ですよね。

というのも当時は和音が出て音色がメモリーできるシンセは高く、プロフィットは確か170万円、オーバーハイムが200万とかいう時代だったと思います。そういうシンセはやはり当時の向谷さんはおいそれと買えなかったようで、その前のスタジオアルバム2作に比べてシンセサイザーの比重が多くなり、向谷さんの手持ちの機材の他に更に多彩な音を出す必要に迫られて松武さんにお願いしたと思われます。

当時のレコーディングではそういう形態は多かったようで、キーボードプレーヤーのほかに機材の提供や音色作成のためにマニピュレーターが参加するというスタイルのレコーディングは結構普通だったようですね。松武さんもYMO以外にも松田聖子やら尾崎亜美やら歌謡曲でもそういった形で大活躍されていますし。

カシオペアでも次作のEYES OF THE MINDのマイケル・ボディガーだったり、その次のCROSS POINTで浦田恵司さんが参加したりとマニピュレーターの参加が常態化していますね。
ただPHOTOGRAPHSあたりになるとプロフィット10やオーバーハイム等、向谷さんが通常使用する機材以外の物も使っていますが、ノウハウが蓄積されたのかご自身で音色のプログラミングなどをやっておられますね、おそらく機材はレンタルだったと思われます。

投稿: | 2018/03/16 21:25

###さんへ コメント感謝いたします。

興味深く拝読させて頂きました。
なるほど!そう言う理由だったのかと腑に落ちました。考えてみればプロの現場で使用するシステムを当時の状態を鑑みれば個人やグループで所有するのは大変で、尚且つそれをコントロールする術はプレイヤーとは別次元の問題ですネ。
そんな理由もあって、その後の向井さんはスタジオジャイブを立ち上げたのでしょうか?

しかし、頂いたコメントから音楽創作の現場に携わっていた方とお見受けいたします。貴重な情報ありがとう御座います。

最後になりましたが、閑古鳥鳴く当ブログにコメント頂いたこと嬉しく心より感謝致します。

投稿: FUSION | 2018/03/17 00:12

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