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検体番号18 <THERE AND BACK(ゼアー・アンド・バック)>

18 今回解析するのはJeff Beck(ジェフ・ベック)の<THERE AND BACK(ゼアー・アンド・バック)>(1980年発表)です。通常なら<BLOW BY BLOW>だろうと思うでしょうが、私の場合Jeff Beckを知ったのは(聴いたのは)このアルバムが最初なんです。1980年発表ですから、正にフュージョンをリアルタイムで体感した頃です。

1. Star Cycle
2. Too Much To Lose
3. You Never Know
4. The Pump
5. El Becko
6. The Golden Road
7. Space Boogie
8. The Final Peace

(g)Jeff Beck、(b)Mo Foster 、 (ds)Simon Phillips 、 (key, ds)Jan Hammer、(key) Tony Hymas

私はこの作品から遡り、「ブロウ・バイ・ブロウ」「ワイアード」「ジェフ・ベック-ウィズ-ヤン・ハマー・グループ・ライヴ」を聴き、その中でも「ゼアー・アンド・バック」は特に私的には印象深い作品になりました。因みに上記の4作品は、個人的に「究極のフュージョン4部作」と位置付けています。(BBAも好きですよ)

1. Star Cycle

F♯とG♯だけのコード進行だけでどうしてこんなに緊張感のある演奏できるのでしょうか?ヤン・ハマー(キーボードとドラム)とジェフ、二人だけの演奏ですが、スタンリー・クラークとサイモン・フィリップスが参加してほしいと思うのは私だけ?それにしてもベックとヤンハマーのバトルは鳥肌ものです。(TOUR DE FORCE"LIVE"でのアル・ディメオラとのバトルも凄いですよ。この作品についてはmajor_keysさん のブログで詳しく紹介されています。是非読んでください。)

2. Too Much To Lose

ギターソロがとにかく今までのベックとは一味違ったものです。とにかくギターの存在感は抜群です。

3. You Never Know

このアルバムの中ではもっともファンキーな作品です。リフが印象的でとにかく耳に残ります。シンセベースなのが残念。ギターソロは結構アバウトと言うかラフに弾いています。(そう聴こえるが本当は・・・)

4. The Pump

空間をゆっくり漂うスローテンポな曲です。その空間を埋めていくようにベックのギターが流れます。ソロでのボトルネックとフレーズがこれ以外ないという位に効果的です。この辺がベックの天才と呼ばれる所以でしょうか。隠れた名曲

5. El Becko

トニー・ハイマスのピアノが否が応でも期待感を高めます。続くギターが叙情的でドラマティックにより一層、期待感を高めます。そしてボトルネックを隠し味的に使ったメロディー、何よりロックンロールジェリーを彷彿?させるソロ。面白い構成の曲です。後にポール・ギルバートもカバーしていました。そういえば「北島健二さん」がこの曲を演奏したのを聴いた記憶があります(カセットテープでのライブ音源)。凄かった・・・本当に・・・凄かった。

6. The Golden Road

多分シタールギターだと思うのですが、この曲でシタールギターはセンスの勝利ですね。またキーボードの音がこれも印象的で尚且つ効果的です。

7. Space Boogie

7/8拍子に乗ったまさに題名どおりの曲です。空間をうねりながら駆け巡るブギーといったところでしょうか。ドラムとギター暴れまくっています。キーボードも切れかかっています(褒め言葉です)。この曲でのドライブ感は当時の私としては今まで聴いたことのない「未知との遭遇」でした。衝撃的とはまさにこの事でしょうか。

8. The Final Peace

最初のギターの入り方からもう鳥肌立ちます。ギターが本当に歌っています。この曲が一番ベックらしいと思います。曲を表現するのが上手すぎます。何なんでしょうか、3分30秒弱なのにこの存在感と説得力は?。途中ミストーン(だと解釈していますが)があります。それすら曲の一部にしてしまっています。まいりました。「悲しみの恋人たち」とは違う凄みがあります。私的にはギターショップの「WHERE WERE YOU」はこの曲なくして存在しなかった様に思えてしかたありません(完全な思い込みですが)

さて・・・ここが私的FUSION・・・

アルバム全体の印象ですが、冒頭に掲げた4作品の中では一番「聴きやすい」作品になっていると思います。この聴きやすさがコアなベックファンにとっては嫌なところかもしれません。しかし、この聴きやすさこそが重要なポイントであって、意外にバックミュージシャンとの調和を堪能できるアルバムだと思います。それ故「聴きやすい」と感じるんじゃないんでしょうか。BBAでは考えられないですよね。その当時からのファンからすれば「こんなのベックじゃない」というのも理解できます。

それと、とにかくキーボードのヤン・ハマーとトニー・ハイマスの力量は凄いですね。ベック本人はプレイヤーとしては超一流なんですが、失礼ですがコンポーザーとしては・・・です。しかし、才能豊かなキーマンと接触する事でベックは超一流のプレーヤーから「孤高の芸術家」に変化するのです。この「ゼアー・アンド・バック」はその最たるアルバムだとおもいますが・・ここが私的FUSION

追伸>蛇足ですが、ヤン・ハマーはイギリス人だと思っていましたが、チェコスロバキア(現在のチェコ共和国及びスロヴァキア共和国)のプラハ出身だそうです(アメリカに亡命した様です)。驚き。チェコの音楽状況に興味津々です。

***1980年のヒット曲*** ランナウェイ、さよならの向う側、安奈、モンローウォーク

それじゃ。また。

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コメント

ジェフ・ベックを聞いた最初のアルバムが何だったか忘れてしまったんですけど、ジェフ・ベック・グループにBB&Aも好きでしたが「ブロウ・バイ・ブロウ」が一番好きですね。
それ以降のインスト・アルバムは次第に聞く回数が減ってしまいました。

投稿: WESING | 2005/11/11 23:44

おはようございます。
私のブログの紹介までしていただき恐縮です。
ところで私儀、元々「ヤン・ハマー命」のキーボーディストだったので、コメントしないわけにはいきません(笑)。特に好きなのが1,3,5,7。5のトニー・ハイマスのピアノは当時のキーボード小僧はみんなコピーしました。7は某音楽雑誌で「ジェフには難しすぎる」と失礼なことを書いていました。4はラリー・カールトン&スティーブ・ルカサーの大阪ライブ盤でカバーされています。あっ、ヤンのことをぜんぜんコメントしてない(笑)

投稿: major_keys | 2005/11/12 09:13

返信遅れましてすみません。

WESINGさんへ
私も今回の解析は「ブロウ・バイ・・・」にしようか迷いました。結果、調和のとれた「ゼアー・アンド・・・」にしました。私にとって「ブロウ・バイ・・・」は解析するには難しすぎるアルバムです。プロデューサーから解析し始めなくてはいけないので(笑)

major_keys さんへ
かってにリンク張ってしまいすみません。でも「ヤン・ハマー」といえば major_keys さんの力をお借りしなければ(笑)
この「ゼアー・アンド・・・」は本当にキーボードプレイヤーに人気がありますよね。
・・・<7は某音楽雑誌で「ジェフには難しすぎる」と失礼なことを書いていました。>・・・確かに。でも情報ではLIVE演奏された回数が極端に少ないそうです。ある種、納得です(笑)
追伸・・またリンクさせても宜しいでしょうか。

投稿: FUSION | 2005/11/12 14:03

初めまして。
major_keyさんのところから飛んできました。よろしくお願いします。
私もベックネタでアップを目論んでいるんですが、おっしゃるように狙いが絞り込めないんですよね。(笑)
私もこの盤が大好きで、#1のシークエンサーのメロをケータイの着信に使ってました。
ではこの辺で。また遊びに来ます!

投稿: elmar35 | 2005/11/12 18:03

elmar35さんへ
初めまして。私のブログ読んで頂いて感謝いたします。
やはりベック先生は幅広い人々に支持されていますね。
・・・<#1のシークエンサーのメロをケータイの着信に使ってました>・・・凄い発想です。なるほど、いいかも知れませんね(笑)
そちらにもお邪魔致しますので、今後もよろしくお願いいたします。

投稿: FUSION | 2005/11/13 10:31

FUSIONさんへ
ブログがにぎやかになってきましたねえ(笑)

> またリンクさせても宜しいでしょうか
はい、いつでもどうぞです。事後報告になりましたが、私のブログにもリンクを貼らせていただいております。

投稿: major_keys | 2005/11/13 12:48

major_keysさんへ。
major_keysさん経由での来訪者が沢山立ち寄って下さっています。本当に感謝しております。ありがとうございます

投稿: FUSION | 2005/11/13 19:54

こんばんは。
懐かしい記事です・・コメント欄読んでてビックリ。(笑)
ウチでもようやく記事にしましたので、トラバさせて頂きました。

投稿: elmar35 | 2008/08/10 20:47

elmar35さんへ。コメント感謝致します。

TB有難う御座います。
え!このアルバムがelmar35さん最初のコメントでしたか!なぜか「シークレット」だと思い込んでいました(笑)このレヴューが2005年11月・・・月日が過ぎるのは早いですネ。

投稿: FUSION | 2008/08/11 17:23

はじめまして、通りすがりの者です・・・。
「THERE AND BACK」発表当時の雑誌(プレイヤーだったかな・・・)にあったジェフのインタビューで、あなたの曲の中で演奏が一番難しいのはどれですか?と聞かれたジェフは「Space Boogie」と答えていました。
理由は・・・ソロのときに小節を数えるのが大変だから、と言ってました。
さすが達人は言うことが違う(笑)

投稿: steel | 2011/06/04 19:28

steelさんへ。コメント感謝致します。

はじめまして!お立寄り有難う御座います。
Space Boogieのコメントの件、私も本で読んだ事があります。また、ドラムのサイモン・フィリップスもこの曲を収録した時に苦労したとの話もあります。プロの方々はその曲に対して率直に苦労した事を隠さないのは、楽曲に対して真剣に向き合った結果を記憶しているからこそだと思います。(中には「簡単だった」なんてコメントする方がいるかも知れませんが・・・笑)。確かに変拍子で小節の頭が判らなくなる難局ですネ。7/4拍子と4/4拍子の混合ですから・・・それに複雑なコード進行と転調とくれば尚更ですネ。ベック先生がハイマスとフィリップスを恨んだに違いありません(笑)

最後になりましたがコメント頂いた事、心より感謝致します。

投稿: FUSION | 2011/06/06 03:02

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» There And Back('80)/Jeff Beck [D9の響き]
お盆に突入ということで、朝から墓参りに行ってました。 心なしか車の数がいつもより少ないような気がします。 しかも、暑いですね・・陽光で火傷しそうです。 相変わらずアーカイヴの充実を図るべくジタバタしてる訳ですが、この辺もまだでしたね。 Jeff Beck(ジェフ・ベック)御大のインスト3部作のラスト“There And Back”で御座いますな。 個人的には、この作品あたりからようやくオンタイムで聴ける状況になったのでした。 ご存知の方も多いと思いますが、このジャケは御大のギターケースを接写した... [続きを読む]

受信: 2008/08/10 19:40

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