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2005/12/01

検体番号24 <WINS(ウインズ)>

24 今回解析するのは、「和田アキラ石黒彰永井敏己菅沼孝三W.I.N.S(ウインズ)」<WINS(ウインズ)>(1995年発表)です。

バンド名はお気付きかと思いますが、メンバーそれぞれのイニシャルを取って名付けられています。結構安易なネーミング(笑)に気を許していると大変、出てくる音楽は・・・ハードの一言。ライナーには「ジャズとフュージョンを掛け合わせロック色を強調したハードなプログレッシブ・ジャズ・ロック」と詠っていますが・・・その言葉に偽りなし。強力な「ライブ盤」です。

1.DANCE OF THE HARLEQUIN (作曲:永井敏己)
2.MOONSTRUCK (作曲:石黒彰)
3.WINDS (作曲:菅沼孝三)
4.EARTH DANCE (作曲:石黒彰)
5.DELUSION AREA (作曲:永井敏己)
6.JOIN 12 (作曲:永井敏己)
7.SIREN'S VOICE (作曲:永井敏己)
8.IN SPIRITUAL ECHOES -yahhoo~!- (作曲:石黒彰)

arranged by W.I.N.S (WINDS by W.I.N.S & Hirosi Takayama)

(g)和田アキラ (key)石黒彰 (b)永井敏己 (d)菅沼孝三 ~手数王~

「W.I.N.S(ウインズ)」は六本木ピットインでのセッションをきっかけに和田さんを核として1990年に結成され、ライブを中心に不定期で活動していたようです。そして、1995年にやっと発売されたアルバムがこの「WINS」です。現在でもにライブ活動している模様です。

和田さんがいるといって「プリズムのイメージ」という先入観でこのアルバムを聴いたら、多分「何か違う・・・」という事になり兼ねないと思います。ですから、あくまでも「W.I.N.S(ウインズ)」として聴いた方が純粋にこのグループの音楽を楽しめると思います。・・・と変に不安を煽っているつもりはないのですが、和田さん、かなり強力に弾きまくっていますのでご安心を。

和田さんこのバンドについて曰く「かなりハードめ。ロック好きにも受け入れともらえると思う。相当激しくて尚且つ高水準だと思う」と自画自賛しておりました。

おっと!2008年8月12日に発売されました「W.I.N.S(ウィンズ)」の2ndアルバム<A Sound Lump~Official Bootleg~>も是非!

1.DANCE OF THE HARLEQUIN
のっけから高速ユニゾンで難解な音の洪水です。思わず溺れそうになりました。とにかく演奏がハード、アレンジがハード、楽曲がハード、アドリブがハード、です。それをギミックなしでライブ盤として発表するのですから尚更「超ハード」ですよ。一曲目にしてこのバンドの実力と方向性を示す重要な曲です。

2.MOONSTRUCK
ミドルテンポのチョッと粘りのある曲です(どんな曲だ)。石黒さんのキーボードソロが絶品です。しかし中盤になり突然、和田さんのギターソロが爆発します。ドラムがソロを終わらせようと合図的にフィールインいれますがお構いなしです(笑)。和田さんファン必聴の曲です。(和田さん口から火を吹いて演奏してるんじゃないでしょうか・・笑、それ程凄い)

3.WINDS
菅沼さんの曲です。テーマが非常に綺麗でこのアルバムの中ではまさに「一服の清涼剤」といったところでしょうか。永井さんのフレットレスベースが醸し出すタイトルの如く風をイメージさるメローディーが素敵です。因みにこの曲は菅沼さんが加入する「FRAGILE(フラジャイル)」の「DOWN SIDE UP」というアルバムにも収録されています。(このアルバムも・・・いいんだな、これが)

4.EARTH DANCE
哀愁を帯びた旋律が印象的なナンバーです。和田さんの弾くサスティーン豊かなギターがこのテーマにハマってより一層深みを増しています。後半の一寸泣きの入ったギターソロとベースソロが絶妙なバランスで曲が単調になるのを防いでくれています。

5.DELUSION AREA 
どう拍子をとったらいいのか未だに理解できない難曲です。しかし、この曲をいとも簡単そうに演奏し聴かせてしまうのですから、まさにこのW.I.N.Sの真骨頂といったところでしょうか。この曲を根底から支える永井さんの実力に脱帽です。演奏が全然ヨレていないのでこの変拍子でも安心感が在りこの種の曲にありがちな不安定さとかが一切ありません。私のお気に入りです。

6.JOIN 12
この曲はW.I.N.Sのリズム隊実力発揮!と言った曲です。ベースはフレットレスでホールトーンやコンディミといった調を感じさせないスケールを上手く使い、不安定と言うか不安感を演出した歌い方で長井さん独自の世界を創り上げています。
ドラムは・・・流石に手数王と異名をとるだけあり、徐々に空間がドラム全てで埋め尽くされていきます。何より既存の日本人が叩き出すドラムパターンとは全く違うアプローチです。この曲ではそれまでのフュージョンでよくある「ノリ一発的ドラムソロとベースソロ」に馴らされていた当時の自分は相当ショックを受けましたし何より新鮮でした。(テーマに戻ってからのドラムのアプローチとキメも絶品)

7.SIREN'S VOICE
どの曲でもそうなのですが永井さんのフレットレスベースがよく歌っています。ボトムとメロディーを自然に行き来するところはバンドとしてアンサンブルをよく理解した本来こうあるべき理想的ベーシストであると言えます。本当に玄人好みのベーシストですね。

8.IN SPIRITUAL ECHOES -yahhoo~!-
yahhooと題名がありますがヤフーではありません(笑)。イントロとサビのフレーズが「ヤッホー」と聞えるからだそうです(私には聞えてきませんが)。この曲が一番「プリズムの和田アキラ」を感じさせる曲です。(感じなくてもいいのでしょうが・・・つい魔がさして)。しかしキーボードソロがカッコいい。こんなに弾けたらな(私、鍵盤楽器は一切弾けませんから)

全体にかなりインプロビゼーションを中心に楽曲を演奏しています。どちらかと言うとメンバー個々が非常に楽しみながらプレイしているようです。聴いている側はただただ唖然としてその凄さに感動するのみです。やはりライブで直に触れなければこの真の凄さは実感できないのでしょうね。

・・・ここが私的FUSION(フュージョン)・・・

先ず、このアルバムで和田さんは一曲も作曲していません。アレンジにおいては色々指示、提案等は当然あったでしょう。しかし、他の三人が提供した楽曲を如何に解釈して自分を表現させられるか、純粋な意味でプレイヤーとして曲を「口説く」楽しみが有ったのではないかと思います

また、これが私的に最も重要な事なのですが、最初この作品を聴いた時はその演奏能力の高さばかりに耳が傾いて全体像を捉えられませんでした。(当り前ですよね。こんな凄い演奏でしかも和田さんのギターが聴けるのだから・・・と自己を正当化)
しかし、何度となくこのアルバムを聴いていると徐々にインプロビゼーションとは一人で勝手に演る物ではなく、一緒に演奏する他のミュージシャンに触発されて創られるものなのだと強烈に思い知らされます。

ライナーに在る様「音楽性・音楽的にもっと自由な方向性を創造し一人一人の個性を強調し創り上げていく音楽それがWINS」と記されていました。ヒントは身近なところにあったのでした。

このアルバムはリスナーとしての私を確実に変えてくれた重要な「ライブアルバム」です。

・・・以上が私的FUSION(フュージョン)・・・

追伸>因みに、この時期(イースタンゲール時代)和田さんとして(プリズムではなく)は「WINS」以外に「KEEP ALIVE」「PRAIA」「LUA」が正規盤として発表されていますが。どれも非常に個性的で重要なアルバムです。(これらのアルバムも日を改めた後ほど・・・)

***1995年のヒット曲*** ズルい女、ロビンソン、逢いたくてしかたない、ゲレンデがとけるほど恋したい

それじゃ。また。

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コメント

インプロヴィゼイション中心のバンドという感じかな。'80年代末頃からのアルバムはほとんど聴き込んでいないこともあるし、楽曲についてはまったく印象がありません。京都Ragで一度だけライブを見たことがありますが、弾きまくっていましたね。

余談ですが、昨日、プリズムのBBSを見たら和田アキラさんご本人が書き込みをしていました。聖飢魔IIのファーストはプリズムが演奏したそうで、これは初耳でした。

投稿: WESING | 2005/12/01 23:41

WESINGさん。いつもコメント感謝します。
私、KEEPをライブで見たことないんですよね。ですからこのバンドの本当の凄さを実感できないのですよ。ライブを見たとの事、羨ましい限りです。
・・・<楽曲についてはまったく印象がありません。>・・・確かにコマーシャル的メロディーではないので楽曲としてのイメージより演奏の印象が強く残りますよね。
・・・<聖飢魔IIのファーストはプリズムが演奏したそうで、これは初耳でした。>・・・びっくりですね。私も初耳です。

投稿: FUSION | 2005/12/02 11:48

はじめまして。
フュージョンという音楽があるなんてまったく知りませんでした。FUSIONさんのブログを一通り読みました。フュージョンてステキな音楽なんですね。特にお奨め(聴きやすいのがいいな)あったら教えて下さい。

投稿: SEETAN | 2005/12/02 19:36

SEETANさん。はじめまして。
フュージョンに興味を持っていただき嬉しい限りです。そもそもの目的がフュージョンを少しでも皆さんに知っていただこうといった志向ではじめたものですから、本当に感激です。
・・・<特にお奨め(聴きやすいのがいいな)あったら教えて下さい。>・・・といったご要望にお答えして、POPS系がお好きなら「T-スクエア」ROCK系がお好きなら「ディメンション」といったグループが最初はお勧めです。
今後もどうぞ宜しくお願いします。

投稿: FUSION | 2005/12/02 21:03

僕もKEEPは見たことないですよ。
残念ながら、PRISMも見たことありません。
WINSはたまたま関西へ行った時にライブがあったので見ることができたんです。

>SEETANさん

はじめまして。
FUSIONを知らないと言うことはたぶんJAZZはあまり聞いていませんよね?
ロックやポップスを聞いていた人にお薦めなFUSIONはメロディーの分かり易いものだと思います。まずはVarious Artistsのコンピ盤を聞いてみてはいかがでしょう?
記憶があやふやですけど、「FUSION PARADISE」とか「CROSSOVER JAPAN」とか。

ロマンティックな曲がお好きなら松岡直也さんの「9月の風」というベスト盤をお薦めしたいですけどね。

投稿: WESING | 2005/12/02 22:38

WESINGさんへ。
ごめんなさい、KEEPじゃなくWINS のミスでした。訂正します。
もうごちゃごちゃになってます。
大変失礼しました。

投稿: FUSION | 2005/12/02 22:58

こんばんわ。
FUSIONさんの和田アキラ氏への想いいれがどれだけ深いものかがよく分かりました。
・・インプロビゼーションとは一人で勝手に演る物ではなく、一緒に演奏する他のミュージシャンに触発されて創られるもの・・そうですよね、人はこれをインタープレイの一言で片付けちゃいますが、化学反応と同じで、同じ相手でも上手くいかない場合の方が多いんですから、いいライブなんてほんと奇跡ですよね。
・・曲を口説く・・言い得て妙ですね!おみごと。

投稿: elmar35 | 2005/12/02 23:45

elmar35さん。コメント感謝します。
和田さんの件に対して嬉しい言葉を頂戴しまして感激です。和田さんは他のフュージョンと言われているギタリストの中では一番ロックスピリット溢れる処と独自の個性が強力な魅力だと思います。世代とジャンルを超えた日本では貴重な存在だと思います。
インプロビゼーションの件も賛同下さり感謝するばかりです。
<・曲を口説く・・言い得て妙ですね!おみごと。>・・テレます(笑)

投稿: FUSION | 2005/12/03 12:04

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