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検体番号30 <PLATINUM-DORI(プラチナ通り)>

30-1 30-2 今回解析するのは、「鳥山雄司」の<PLATINUM-DORI(プラチナ通り)>(1990年発表)です。

プラチナ通り・・・響きがいいですよね。ハイソな感じでこのアルバムにピッタリです。・・・なるほど「プラチナ通り~白金~港区~そして東京タワー」で・・・このジャケット写真でしょうか?でも個人的には裏面の写真が好きだったりします。だから今回は特別に裏面の画像も掲示しちゃいますネ。

でも、作品、参加ミュージシャン、アレンジ、演奏全てにおいて二重丸です。文句なし。

01.HI!SAKURAKO-SAN
02.HALF MOON PARADICE
03.POTTED PARROT
04.MAGGINESS
05.FATHER’S BACK
06.SUKI YAKI
07.FOOT LOCKER
08.DANCIN’IN THE PARK
09.LIME TREE
10.PLATINUM DORI

しかし、このアルバムはいいですよ。聴いていて気持ちがいいんですよね。癒し系じゃないんですけど、「心地よい」そんなイメージがピッタリです。しかし、その中身は侮る事なかれ・・・

01.HI!SAKURAKO-SAN
(g)鳥山雄司  (d,prog)矢壁アツノブ  (b)美久月千晴  (key)向谷実,ニール・ラーセン  (per)レニー・カストロ  (tro)村田陽一  (tru)荒木敏男  (sax)本田雅人

出だしの左右チャンネルに振られたキーボードのコードに軽やかなホーンが絡む印象的なオープニングナンバーです。メロディーが綺麗です。豪華なメンバーで演奏されていますが、結構シンプルな演奏で余裕といった感じです。ベースの美久月さんのブルブリとしたプレシジョンベースがいいですね。途中のキーボードソロはニール・ラーセンですが、向谷さんはどこ?といった感じです(笑)。
因みに「SAKURAKO-SAN」とは鳥山さんの御母上でした。

02.HALF MOON PARADICE
(g)鳥山雄司  (d)矢壁アツノブ  (b)美久月千晴  (pf,key)大谷幸  (congas,per)レニー・カストロ 

切ないボサノバ調のリズムに鳥山さんのギターが歌いまくります。しかし、鳥山さんのギターは良い音しています。アートテック・ストラトを「THD Electronics」のギターアンプにダイレクトで音を出したとの事ですが・・・本当に絶品!ディストーションギターで艶っぽいギターを奏でる人は沢山いますが、クリーントーンでこれほど色っぽい音出されたら・・・参りました。
大谷さんのピアノソロとバッキングは音といい、間といい、フレーズといいこれまた絶品!

03.POTTED PARROT
(g)鳥山雄司  (d)矢壁アツノブ  (b)美久月千晴  (key)大谷幸  (HAMMOND B3)ニール・ラーセン (congas,per)レニー・カストロ (strings)joe strings

鳥山さんのアコースティックギターとストリングスが絶妙のバランスでアレンジされているインテリジェンス?な曲です。この曲での美久月さんが奏でるチョッパーがこの曲のアクセントになり、下手をするとイージーリスニングとなってしまいそうなところを上手くカバーしています。
ニール・ラーセンのハモンドは失礼ですが、無くても良かったんじゃないかな・・・と密かに思っています(汗)

04.MAGGINESS
(g)鳥山雄司  (d,prog)矢壁アツノブ  (b)美久月千晴  (key)大谷幸  (congas,per)レニー・カストロ (flu)本田雅人

ゆっくりと地を這うようなベースラインが印象的な曲です。最初シンセベースかと思ったのですが、美久月さんのプレシジョンベースでエフェクト処理されたチョッパーです。私的で恐縮ですがプレシジョンベースでのチョッパーは嫌いだったのですが、これは別格です。
鳥山さんのギターはラリーカールトンとロベンフォードをたして2で割った様なギターが素晴らしいですね。ギターはまたもアートテック・ストラトを「THD Electronics」のギターアンプにダイレクト。

05.FATHER’S BACK
(g)鳥山雄司  (d)矢壁アツノブ  (b)美久月千晴  (pf,key)和泉宏隆  (congas,per)レニー・カストロ  (tro)村田陽一  (tru)荒木敏男  (sax)本田雅人

個人的に大のお気に入りです。楽曲、アレンジ、演奏、全てにおいて高次元です。特にギターソロに繋ぐフリューゲル・ホーンのソロから、鳥山さん独特のジャージーなソロからテーマに解決するまでの流れるよなソロ、そしてギターソロが終わりサビのフレーズに戻ったときのギターの重ね方、その裏でピアノのシンプルなコードバッキング、それを包むようなホーンアレンジ。そして、そのまま最後まで一気に聴かせてしまう巧みなアンサンブルとチョッと熱くなったギターソロ・・・鳥肌ものです。
楽器の演奏能力だけではなく、こんなところが(こんなところこそが)フュージョンの醍醐味です。皆さん、必聴です。

06.SUKI YAKI
(g,key)鳥山雄司   (d-prog)矢壁アツノブ  (key-solo)大谷幸  (b)美久月千晴  (per)レニー・カストロ

名曲「上を向いて歩こう」ですね。打ち込みのリズムの上で鳥山さんのレイドバックした演奏が印象的です。しかし、バックで流れる琴の様なシンセが日本人を感じさせます。多分、私達日本人が聴くより、外人が聴いたら絶賛するんじゃないでしょうか(笑)

07.FOOT LOCKER
(g)鳥山雄司  (d)矢壁アツノブ  (b)美久月千晴  (pf,key)大谷幸  (HAMMOND B3)ニール・ラーセン  (congas,per)レニー・カストロ

Cm-A♭7-Fm7-E ♭M7のナチュラルマイナーを感じさせるシンプルなコード進行に鳥山さんのギターが歌います。そして、ギターのオーバダブでのフレーズにこの方のセンスを感じます。途中の転調を上手く活かしたメロディーラインも印象的で、このラインでの流れる様なアドリブソロも最高です。
ニール・ラーセンのハモンド・ソロはもうこの方の独断場です。有難く拝聴致しましょう。

08.DANCIN’IN THE PARK
(g)鳥山雄司  (d)矢壁アツノブ  (b)美久月千晴  (pf,key)大谷幸  (congas,per)レニー・カストロ  (strings)TAKASHI KATO GROUP  (sax)本田雅人

鳥山さんのアコースティックギターは03.POTTED PARROTといい、本当にピッキングのアタックと言うか粒が揃っていて聴いていて気持ちが良いですね。JAZZフレーバーが程よくブレンドされていて“上品でオシャレなサウンド”といったところでしょうか。後半の、本田さんのSAXとの掛合いがファンにとっては嬉しいプレゼントですね。

09.LIME TREE
(g)鳥山雄司  (d,prog)矢壁アツノブ  (cotra-b)美久月千晴  (pf)和泉宏隆  (per)レニー・カストロ

これはもう真向勝負の鳥山風JAZZですね。これに神保さんが参加すれば・・・ピラミッドですね(チョッと違うか・・・笑)。しかし、美久月さんのコントラバスが結構意外(失礼)に・・・いい味出してます。そういえば2~3年前、井上陽水さんのコンサートでも素晴らしいウッドベースを演奏していましたし、やっぱり当時から只者ではなかったと言う事ですね。和泉さんといえば、スクエアでは勿論、自分のアルバムでも演奏しないようなJAZZ・MANに変身しちゃてます。この曲でのギター音も最高です。そして、ギターフレーズに影の様に付きまとうディレイ音が良いですよ。奥行きが有って。

10.PLATINUM DORI
(g)鳥山雄司  (d,prog)矢壁アツノブ  (b)美久月千晴  (key)向谷実,大谷幸 (per)レニー・カストロ  (flu)本田雅人

出だしの日差しの様なハーモニックスが印象的なアコースティクギターのナンバーです。晴れた休日の朝、自転車でプラチナ通りを颯爽と駆け抜ける鳥山さんが浮かんできます(完全にイメージですので・・・)。

・・・さて、ここが私的FUSION(フュージョン)・・・

このアルバムを聴いて最初に思ったことは「ラリー・カールトンみたいだね」が第一印象でした。特に「夢飛行」と「アローン・バット・ネヴァー・アローン」をミックスした様な感じです。本人は意識してはいない様ですが「何も考えないで弾くとこうなってしまう」とコメントしています。羨ましいですよね。何も考えないで弾くとラリー・カルトンになっちゃうなんて(笑)。
しかし、聞き込む程に「これこそが本来の鳥山さんだ」と気付くのです。前作の「TRANSFUSION(トランスフュージョン)」とは全く違うコンセプトの、言わば「リラックスして自由にのびのびと歌うギター」がここにはあります。決してテクニックに走ることのない「音楽を聴かせる」といった感じがひしひしと伝わってきます。それは後の名曲「The Song of Life」のコンセプトにも繋がる重要なキーワードと理解しています。

それは、アレンジといった点からも窺い知れます。基本的なアレンジは鳥山さんが施している様ですが、ホーン・アレンジは村田陽一さん、ストリングス・アレンジは大谷幸さんと完全に任せている点で非常に完成度の高い楽曲として各々が存在しています。

メロディアスでシンプルで聴きやすく、尚且つ楽曲の完成度が高い。それでいて、鳥山さんの様に「お洒落な音楽」がこのアルバムに凝縮されています。

・・・以上が私的FUSION(フュージョン)・・・

***1990年のヒット曲*** 浪漫飛行、情熱の薔薇、見逃してくれよ、さよなら人類

ブログを始めて3ヶ月。どうにかこうにか年末を迎えられました。
三日坊主の感も有りましたが、こうしてやってこれたのも、この稚拙な私のブログに辛抱強くお付き合い下さいました皆様の御力添えによるものと心より感謝しております。


本当に有難う御座いました。
来年も宜しく御願い致します。
良い御年を御迎えください。

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コメント

本年はたいへんお世話になりました。
懲りずに来年もがんばりますので、どうぞよろしくお願いします。
よいお年を。

投稿: elmar35 | 2005/12/30 09:07

いつも言ってますが、'90年前後あたりからのアルバムは鳥山さんに限らず聞き込んでないのが多いんです。
鳥山さんの印象はデビュー・アルバム時から洋楽系フュージョンという気がしています。スムース・ジャズと言ったら良いのかな。聞いていて心地良いから続けてアルバムを買っているんですけど、僕が夢中になるまでのサウンドではなかったんですね。「世界遺産」に繋がっているのは分かるような気がします。
 いつも解析を読みながらそのCDを聞きたいと思っているんだけど、PCのCDドライブの調子が悪くてCDの出し入れが困難なので、それができないんです。HDDもエラーが出ているようだし、そろそろ寿命みたいです。
 来年もよろしくお願いします。

投稿: WESING | 2005/12/30 10:37

ありがとうございます。

elmar35さんへ
今年はお世話になりました。
貴殿のギターを中心とした幅広い音楽観は非常に刺激となり勉強させられました。貴重な財産とさせて頂きます。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。


WESINGさんへ
今年はお世話になりました。
貴殿の並外れた情報量と松岡さんをこよなく愛するその姿勢に感服いたしました。貴重な財産とさせて頂きます。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。

投稿: FUSION | 2005/12/30 14:13

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