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検体番号51 <GALAXY(ギャラクシー)>

51 今回解析するのは「THE PLAYERS(ザ・プレイヤーズ)フューチャリングHIROMASA"COLGEN"SUZUKI」の<GALAXY(ギャラクシー)>(1979年発表)です。

音楽を聴いていて、自分自身、聴き方が変わったと思うことがありませんか?
様々な音楽が回りに溢れてくると、自分の感性に合った音楽に出会えるチャンスが増えてくるわけですが、同時に多種多様の音楽に触れると趣味と言うか趣向が変わってきたりします。

今回紹介する鈴木宏昌(コルゲン)さん率いるザ・プレイヤーズのこの作品が、がまさに私にとっての“それ”なのです。

01.GALAXY
02.IN YOUR MIND
03.UNSWEETENED
04.KALEIDOSCOPE
05.HEAVENLY MAIDEN
06.MAGIC LAMP
07.SUNNY SIDEWALK
08.MISTY MOONLIGHT

***The PLAYERS***
鈴木宏昌(pf,key)  山口昌文(sax) 松木恒秀(g) 岡沢章(b) 渡嘉敷祐一(d) 穴井忠臣(per)
Horns section
新田一郎 兼崎順一(tp) Yasuo Hirauchi Yoshimi Mita  Sumio Okada (tro) Hideo Iguchi (b-tro)
Strings section
Strings Tomato 

このバンド“The PLAYERS”でタモリの「今夜は最高」にハウスバンドとしてレギュラー出演されていましたね。あれは楽しかったですよ。たまにメンバーがコント出演したりしていましたね。

余談ですが、ジャケットのデザインが素晴らしいですね!芸術的な美しさを感じます。CDだと今ひとつですがLPジャケットだとその美しさがより一層際立ちますよ。

01.GALAXY
モジュレーション処理されたハネた16ビートのハイハットが印象的なイントロです。そこに、ブルースリーが登場しそうな勇猛果敢なメロディーラインが絡んできます。野性的でいて、どこか権威的なサウンドは、スリルと緊迫感を感じます。
岡沢さんのデットスポットを上手く埋める存在感のあるグルーブ感抜群のベースは必聴です。
山口さんのSAXが実に滑らかで美麗なソロを展開し、それと調和させるが如く、透明感溢れ煌く様な音色のシンセソロがこの曲をより一層クリエイティブなものにしています。
しかし、この曲での松木さんのカッティングは抜群です。目立ちませんが素晴らしい演奏です。是非お聴き下さい。

02.IN YOUR MIND
悲しいまでに美しい透明感のあるSAXの音色が綴る豊潤なバラードです。
山口さんの繊細で慈しむ様な演奏は、曲の持つ優しさと言ったものが柔らかく響いて来ます。溢れる歌心が心に染み入る様な演奏とサウンドは絶品です。岡沢さんの圧倒的に芳醇な響きに彩られたベースラインも歌いまくっています。
どことなくウェーザー・リポートの名曲を彷彿とさせますね。

03.UNSWEETENED
ギターとベースが織り成す、難解なユニゾン・フレーズの洪水が怒涛の如く押寄せる、題名の如く「甘くない」楽曲です。
エキサイティングでグルーヴ感抜群のサウンドは、この曲の持つ臨場感や緊張感といった魅力を充分に引き出していますね。
しかし、特筆すべきは松木さんの疾走するかの如きスピード感抜群のギターです。ワイルド且つヘヴィーなスタイルと、曲の表情やダイナミクスの付け方が絶妙ですね。もう少し長いバージョンを聴いてみたかったですね。

04.KALEIDOSCOPE
静寂を徐々に打ち破る様に山口さんのSAXが哀愁たっぷりに歌い上げます。しかし、一転してラテンフレーバー溢れる力強いリズム隊と、センチメンタルで華麗なメロディーが交錯するナンバーへと様相を変えていきます。そこから先は一寸先をも予測できないスリリングな展開が待っています。このイリュージィン的手法がアルバムの中にプレイヤーズ独自の世界を作り上げていますね。
ひたすらヘビーでパワフルにドライブする松木さんのギターもやはり冴え渡っていますね。天衣無縫のソロと、全体をしっかりまとめるバッキングは素晴らしいの一言です。
万華鏡の様に移り変る如く色彩感豊かなアレンジと、溢れる歌心が心に染み入る演奏は絶品!
日本フュージョン界に燦然と輝く名曲です。

05.HEAVENLY MAIDEN
渡嘉敷さんのドラムソロで幕を開けるファンキーなナンバーです。
ホーン・セクションの魅力を充分に引き出した躍動感溢れるアレンジとアンサンブルは、この卓越したメンバーならではの極上のファンキーグルーヴを体感できる格好の楽曲といえるでしょう。
鈴木さんのハービー・ハンコックをも連想させるキーボードソロに、彼の日本人離れした力量と新鮮なインプロビゼーションのアプローチを感じますね。今でこそ当たり前なサウンドですが、当時こんな尖ったアプローチをする人はそんなにいませんでした。
しかし、ファンキー・ビートに乗ったリズミックなプレイはやはり気持ちが良く爽快ですね。メンバーが楽しく演奏しているのが伝わってきます。
特に強力なリズム隊をバックに、切味抜群で存在感があるギター・カッティングは爽快ですね。
やはりこの曲でも岡沢さんのベースは絶品です。彼の緩急自在な演奏スタイルとグルーヴ感は抜群ですね。彼のベース・サウンドに一度ハマったら抜け出せない様な常習性をも感じます。彼のリズムに対する自由な解釈とそのプレイは素晴らしい以外の何物でもありません。

06.MAGIC LAMP
ゆっくりとしたリズムが心地良い、ノスタルジックな雰囲気漂うナンバーです。
甘美なSAXの音色にまろやかな渋みが調和して広がってゆく、山口さんの美的センスを充分に堪能できる楽曲ですね。
シンプルかつ物静かな旋律が美しい、ジャズフレーバー溢れる鈴木さんのピアノも悠然と流れ、ハートフルでナイーブなインプロヴィゼーションを繰広げています。
全体をエレガントに演出しているストリングスの響きが素晴らしいですね。

07.SUNNY SIDEWALK
肩肘張らず、リラックスした演奏スタイルがリスナーにも充分に伝わるサウンドが魅力の華麗なナンバーです。「日当たりの良い歩道」を犬を連れて散歩する・・・そんな光景が浮かんできます。
力を抜いておおらかに歌い上げるSAXはやはりここでも光り輝いています。
コマーシャリズム(決して悪口を言っているのではありません。誤解の無い様に)を意識したかの様なポップなサウンドに、「ワンダフル・ガイ」の片鱗を伺わせる興味深いナンバーでもありますね。

08.MISTY MOONLIGHT
美しい情感を醸し出した、ハートフルでピュアなバラードが優しくリスナーを包んでくれます。
黄昏の様な愁いを感じるそのサウンドには実直なまでの優しさと愛情が満ち溢れています。彼らの奏でるその赤心的なサウンドには胸を打たれますね。
聴けば聴くほど味が出る作品ですね。

☆☆☆ ここが私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

残念な事ですがコルゲンさんは2001年5月21日死去致しました。悲しい事です。
本当は命日にアップしようと思っていましたが、思い入れが強くなり本日に至った次第です。

お恥かしい事ですが、私はザ・プレイヤーズでの5作品でしかコルゲンさんの音に接していませんが、それでも彼の創り上げたサウンドがその後のジャパニーズフュージョンへ及ぼした影響は絶大だと感じます。
特にミュージシャン各々の持ち味を最大限に活かしたプレイとサウンドを、自然と曲に溶け込ませるそのフレーズの組み立て方にアレンジャーとしての才能を感じさせます。

強力な布陣で繰広げられる、その力漲る強力な演奏と楽曲は今だに色褪せる事が無く、安定でスムーズなプレイからは確かな信頼感が伝わってきます。(しかし時としてその「安定感」が仇となってしまう場合があるのも事実ですが・・・)
確かなテクニックで彩られたインタープレイと繊細なフレーズ、クオリティーが非常に高い楽曲群、聴く者にもリスナーとしての資質を要求させる程、奥行きの深い作品が満載です。

今にして思えば、高校生時代にこの作品に出会えた事で、当時の私は少年から少しだけ大人になった気がします。
一曲一曲丹念に聴き込んで見ると、今でも新たな発見があります。

静と動が見事に調和し,其々が確固に存在し、時代を超えて現在のシーンにも違和感無く浸透できる、実に渋く、味わい深く、そして実に熱い大人のサウンドを堪能できるアルバムです。

☆☆☆ 以上が私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

***1979年のヒット曲*** ガンダーラ、チャンピオン、きみの朝、魅せられて(この曲のベースは岡沢章さんだと思うのですが・・・ご存知の方、教えて下さい)

それじゃ。また。

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コメント

こんばんは。
THE PLAYERSは、私個人の意見ですが日本で1番フュージョン・バンドらしいバンドだったと思っています。このアルバムと『ワンダフル・ガイズ』はレコードが擦り切れる位聴きました。全員がスタジオ・セッションでは職人と言っても過言ではない腕前ですし、コルゲンさんのアレンジも冴え渡っていますね。
まさにプロのミュージシャンの演奏という感じがします。
技術だけでなく、味というものが彼らの演奏にはある気がします。
CDで入手出来ていないので、ぜひ再発して欲しいです。

投稿: kaz-shin | 2006/05/28 00:49

kaz-shinさんへ。コメント感謝致します。

>日本で1番フュージョン・バンドらしいバンドだったと思っています。
素晴らしい・・・まさにそのとおりですね。本当に楽曲、演奏、アレンジ、そして仰るように「味」全てにおいて類稀な素敵なバンドですね。

kaz-shinさんがこのバンドを好きなのは貴殿のブログからも垣間見えましたので、コメント頂いたのは本当に嬉しいいです。有難うございました。

投稿: FUSION | 2006/05/28 09:56

PLAYERSは洋楽系サウンドに感じます。FUSIONという言葉が日本でしか使われなかったということもあり、僕はFUSIONの基本はCASIOPEAだと思っています。それを前提に、PLAYERSはFUSIONというよりコンテンポラリー・ジャズだと思うんですよね。
 デビュー・アルバムがCASIOPEAより遅かったこともあり、最初の2,3枚目くらいまではリアルタイムでは聞いてなかったんじゃないかな。だから、アルバム自体はあまり聞き込んでいないんですけど、好みのサウンドには間違いないです。同じ洋楽系だと感じるNATIVE SONより好きです。ギターが良いから。(^_^ゞ
 余談ですが、僕が初めて買ったCDはPLAYERSの「UP TO YOU」でした。
こちらはよく聞きました。

投稿: WESING | 2006/05/28 17:31

WESINGさんへ。コメント感謝致します。

>PLAYERSはFUSIONというよりコンテンポラリー・ジャズだと思うんですよね。
なるほど、仰る事、良く理解できます。
たしかにコルゲンさんは日野さんと「ジョージ川口とビッグ4」や「石川晶トリオ」など名だたるジャズバンドで活躍していたようですのでプレイヤーズもJAZZグループと解釈されるのは自然な事だと思います。
私の場合カシオペア、スクエアと言った音楽を聴いていて何処か物足りなさを感じたとき出合ったのがこの作品でした。ですから衝撃的なサウンドに愕然とした記憶があります。ですからいまだに「スーパーフュージョングループ」だと思っています(笑)彼らのお陰でウェザー・リポートも大好きになりましたし。

>僕が初めて買ったCDはPLAYERSの「UP TO YOU」でした。
この作品も素晴らしいですね。SAXが中村誠一さんとボブ斉藤さんでしたね。

追伸・リンクの資料・・・何時もながら流石ですね!!

投稿: FUSION | 2006/05/28 19:40

こんばんは☆
お邪魔する度にスキンが変わっていて、あれっ!って驚いています。
もしかして、アルバムごとに変えてられ
ますか?^^
この頃、話題についていけなくて
すみません。
でも、日野さんや石川さんの生演奏聴いたことがあるので、また、何気に聴いたことがあるのかもって思って見たり・・・

投稿: まりん | 2006/05/29 22:56

まりんさんへ。コメント感謝致します。

>もしかして、アルバムごとに変えてられますか?^^
はい、あまり頻繁に更新できないのでせめて「更新しましたよ」というサインとして記事をアップする度かえています。何だか私の性格同様に落着きがありませんね(笑)

>日野さんや石川さんの生演奏聴いたことがあるので・・・
羨ましい限りです!いいですね!日野さんのライブは是非にも見てみたいです。
確かにコルゲンさんは日野さんのグループにいましたし「ワンダフル・ガイ」では共演もしてましたね。

投稿: FUSION | 2006/05/29 23:09

今でも音楽は大好きですが、今年に入ってからAMラジオを聴くようになりました。
なんとなくローカルなしゃべり口調が懐かしい気分なのです。
AMって本当に音楽が少ないのですが、マイルドに中間くらいの番組があればイイと思います。
昔名古屋のFMにそんな番組があったのですが、いつの間にやら番組改編でなくなっちゃったみたいです。

投稿: 35式 | 2006/05/30 20:24

35式さんへ。コメント感謝致します

私も昔はAMラジオをよく聴きました。新旧織り交ぜた楽曲を聴けて結構情報収集にはうってつけのメディアだと思いますネ。

今後もよろしく御付き合い下さい。

投稿: FUSION | 2006/05/30 21:06

> リンクの資料・・・

少し前から、某所のブログでも、内容に合わせてup、そして、リンクしています。データがあればの話ですけどね。

抜けているデータがあれば教えてください。

投稿: WESING | 2006/05/31 18:28

WESINGさんへ。コメント感謝致します。

>抜けているデータがあれば教えてください。

私の勉強不足でお恥かしい話ですが、抜けているかどうかすら分からなかったりします(汗)
しかし、膨大な音源数には本当に驚くばかりです。これからもリンク宜しくお願い致します。とても参考になります。
これだけの資料は是非皆さんに紹介すべきですよ!!!

投稿: FUSION | 2006/05/31 21:05

カレイドスコープは本当に涙が出てきます。
特にコルゲンさんのソロのところが。
以前ライブCDが出てましたが、そちらのカレイドスコープもすごく良いので再発されないかなあ。

投稿: まんちゃん | 2007/11/02 22:10

まんちゃんさんへ。コメント感謝致します。

はじめまして。お立ち寄り有難う御座います。
私もカレイドスコープ大好きな一曲です。ジャパニーズ・フュージョンを代表する作品だと思います。仰るようにコルゲンさんのソロは絶品ですね。同じくらいに山口昌文のSAXも・・・本当素晴らしいですネ
>以前ライブCDが出てましたが・・・
このアルバム、聴いた事が無いのです。再発されたら絶対に聴きたいアルバムの一つです。

最後になりましたが、コメント頂き本当に嬉しかったです。

投稿: FUSION | 2007/11/02 22:58

カレイドスコープはその昔、某FM局の渡辺貞夫マイディアライフ(確か資生堂が提供だったような。。)にコルゲンバンドが出演した時のライブセッションをテープに録音して相当聴いていた事があります。日本人だというのはナレーションでわかっていたのですが、今のようにインターネットもなく、最後までコルゲンバンドの正体がわからずにいました。あとにも先にもその頃はそれだけの付き合いで、「今夜も最高」の“プレイヤーズ”がコルゲンバンドだったというのも、ほんとつい最近知りました。そこで早速ヤフオクでこの“GALAXY”を落としましたので、何十年かぶりに聴く事が出来そうです。メロディはほとんど覚えていないのですが、印象的なイントロでのベースラインが耳に残っています。
 

投稿: びー | 2008/01/15 04:35

びーさんへ。コメント感謝致します。

はじめまして。お立ち寄り有難う御座います。

プレイヤーズ・・・職人的で魅力溢れるミュージシャンが繰り出すサウンドは本当に素晴らしいですネ。特にこの「GALAXY」は彼達の代表曲でもあるカレイドスコープが収録されていて、そういった意味でもファンにとっても特別な一枚ですね。びーさんのコメントを読むにつれ、この楽曲に対する想い入れが伝わって来ます。
去年「GALAXY」は再発されたようですが、是を切欠として他のアルバムも・・・期待したいところです。

投稿: FUSION | 2008/01/16 16:52

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