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検体番号58 <JVC SUPER SUMMER Vol 2(JVC スーパー・サマー Vol 2)>

58 今回解析するのは、「JVCスーパー・サマー・シリーズ」<JVC SUPER SUMMER Vol 2(JVC スーパー・サマー Vol 2)>(1987年発表)です。

夏だと言うのに今ひとつパッとしない天気が続いています。せめて音楽は明るく爽快なものをと思いまして・・・
ところで「JVC SUPER SUMMER Vol 2」があるという事は、Vol 1はどうした?と言う事になりますが・・・・

01.RAINBOW /Lee Ritenour
02.RIO FUNK /Lee Ritenour
03.SHUFFLE CITY /Don Grusin
04.SHE COULD BE MINE /Dave Grusin
05.LAST TRAIN TO PARADISO /Dave Grusin
06.SEA EXPRESS /Malta
07.ISLAND BREEZE /Eric Gale
08.GULF STREAM /Eric Gale
09.IPANEMA SOL /Lee Ritenour
10.SUMMER DREAMIN' /Malta
11.MORNING FLIGHT /Malta

確かにVol 1は存在します。このシリーズは大好きで、昔レンタルして全シリーズ録音していました。現在CDを探していますが、やっとこれと「JVC MUSIC AFTER HOURS Vol 2」を探し出しました。何とか残りを揃えたいのですが・・・。この懐古趣味からそろそろ脱出しなければと思う今日この頃です(思うだけだったりします)。

01.RAINBOW
Lee Ritenour(a・g) Don Grusin (Rhodes・p) Oscar Castro-Neves(a・g) Luizao Maia(b) Paulinho Braga(d) Chico Batera(per) Jose Da Silva(per) Roberto Pinherio(per) Armand Marcal(per)

リーリトナー「In Rio(1979年)」からの作品。
雨上がりの爽快感と、雲の間から差し込む日差しを演出するかの様なイントロのアルペジオパターンが美しいですね。
そしてリトナーの、どこまでも優しくて洗練されたガットギターでのフレーズが、まろやかなリズムに乗って華麗に響きます。それはまるでそよ風に乗って流れてくるかの様です。
ドン・グルーシンのオブリガート的フレーズがこの曲をより一層、エレガントに仕立てています。
その光と風を感じるサウンドはまさに「レインボー」と言うタイトルを表現しきっていますね。本当に優しくて爽やかな曲です。

02.RIO FUNK
Lee Ritenour(a・g) Dave Grusin(pf,Rhodes・p) Jeff Mironov(e・g) Marcus Miller(b) Buddy Williams(d) Rubens Bassini(p)

リーリトナー「In Rio(1979年)」からの作品。
いまさら紹介の必要もないくらいの名曲ですね。
題名の如く、まさに「FUNK」ですね。アコースティックギターでここまでファンキーナンバーに仕上がったのはやはりマーカス・ミラーのスラップ・ベースの賜物でしょう。(当時19歳位だと記憶しています!!!)
タイトで中高音の艶やかなスラップがこの曲にダイナミックさを与えてくれます。
特にパワフルながら自己抑制された冷静なベースソロは、今聴いても驚くほどにマーカス以外の何物でもないサウンドをこの曲に刻みこんでいます。(個人的ですがマーカスといったらこの曲が最初に浮かんできます)
また、マーカスの存在感に隠れてしまっていますが(笑)、リトナーのメロディアスで歌うようなソロも傾聴して下さい。やはりリトナーのガットギターは素晴らしい(カールトンもリトナー本人を目も前にしてそうコメントしていました)。
これからもフュージョンの名曲として語られるであろうサウンドです。

03.SHUFFLE CITY
Don Grusin(key) Lee Ritenour(g) Abraham Laboriel(b) Alex Acuna(d) Steve Forman (per)Gary Herbig(sax)

ドン・グルーシン「DON GRUSIN(198年)」からの作品。
題名の如くシャッフルしたリズムが軽くステップするかの様に小気味良いナンバーです。躍動感溢れたアレンジがこの曲をより力強くしています。この軽やかで弾みのあるサウンドはリスナーをも楽しくさせるマジックの様でもありますね。
このリズムを縫う様にリトナーのスライドギターが実に滑らかで奥行きのあるソロを展開しています。このユニークな視点でのアプローチが興味深いですね。

04.SHE COULD BE MINE
Dave Grusin(key) Lee Ritenour(g) Steve Gadd(d) Don Grusins(syn) Lincoln Goines(b) Rubens Bassini(per)

デイヴ・グルーシン「OUT OF THE SHADOWS(1982年)」からの作品
サンバのリズムがリリカルで何処か哀愁を帯びたメロディーと遭遇する事で不思議なペーソス感を醸し出しています。この独特の気だるさにも似た感覚は今聴いても新鮮です。叙情感溢れるサウンドをミュージシャン各々が微妙な表情の変化を演出して、この楽曲を丁寧に構築しています。
ガッドの正確無比で単調とも言えるドラムサウンドは一度ハマったら抜け出せない様な常習性をも感じます。それは宛も催眠術的な効果にすら感じますね。

05.LAST TRAIN TO PARADISO
Dave Grusin(key) Lee Ritenour(g) Steve Gadd(d) Don Grusins(syn) Lincoln Goines(b) Rubens Bassini(per)

デイヴ・グルーシン「OUT OF THE SHADOWS(1982年)」からの作品。
ゴスペル調でデイブらしいリズミックなピアノパターンが印象的ですね(リトナーのキャプテンカリブのイントロとその手法が似ています)。ダイナミックかつ爽快なサウンドは聴きごたえがあります。スタジオライブ的な臨場感をも感じさせますね。
またチョッとアウトしたリトナーらしくないギター・ソロも面白いですね。言い換えれば自由度の高い楽曲とも解釈できるでしょうか。
そして、その全てが熱いリズム隊によって力強くまとめられています。
この曲でのガッドは水を得た魚のように生き生きとしたプレイを披露していますね。ハネた16ビートを主体として緩急を活かしたグルーヴ感抜群のサウンドは流石!

06.SEA EXPRESS
Malta(sax) Masahiro Sayama(Rhodes・p) Katsutoshi Morizono(g) Koki lto(b) Jun Aoyama(d) Horn Sedion/Junichi Kanezaki(Trp) Koichi Suzuki(Trp) Shigeo Fuchino(sax) Mitsuru Kanekunis(sax) Takaaki Hayakawa(trp)

マルタ「SUMMER DREAMIN'(1985年)」からの作品。
飛び立つようなスプレッド感をイントロが上手く表現していますね。森園さんの粘りのあるギターサウンドでのフレーズと、張りのあるホーン・セクションが耳に残ります。
一度聴いたら耳から離れない広がりのある爽快なメロディーを、マルタさん特有の優しいSAXの響きでより肌触りのよい作品に変身させています。彼のキャッチャーな一面が上手く引出された名曲です。
また、伊藤さんと青山さんのリズム隊は流石にツボを得た演奏でこの作品に安心感を与へ、それがリスナーに伝わって来るようですね。

07.ISLAND BREEZE
Eric Gale(g) Jeff Medina(g) Neddy Smith(b) Webb Thomas(d) Ralph MacDonald(per) Anthony MacDonald (per) Ted Lo(pf) Andy Schwartz(syn) Cliff Branch,Jr(syn) Harold Vicks(sax)

エリック・ゲイル「ISLAND BREEZE(1983年)」からの作品。
南国のリゾートを感じさせるようなリラックスした雰囲気が、肩肘を張らない演奏スタイルによってリスナーにも充分に伝わる、そんなラテンフレーバー溢れるナンバーです。
エリックの持ち味でもある、あの独特のビブラートはここでも大活躍。まるで語りかけるようなソロは相変わらずです。
また、Harold VicksのチョッとたどたどしいSAXソロも大らかで、この曲に良くマッチしています。

08.GULF STREAM
Eric Gale(g) Mark Mazur(g) Nasser Nasser(per) Peter Schott(key) Neddy Smith(b) Winston Grennan(d)
Freddie Waits(g)

エリック・ゲイル「IN THE SHADE OF A TREE(1981年)」からの作品。
ウォームで明るく彩られたシンプルな楽曲ですが、エリックの情感を醸し出したギターは流石ですね。牧歌的で優しいフレーズはやはり心地良いの一言ですね。レイドバックし過ぎず、かといって気だる過ぎず・・・絶妙のバランス感覚でこの作品を聴かせています。
彼の紡ぎ出すフレーズはリスナーを引き付け、そして訴え掛ける様な不思議な力感をも覚えます。

09.IPANEMA SOL
Lee Ritenour(a・g) Alex Acuna(d) Abe Laboriel(b) Don Grusin(key) Ernie Watts(sax,flut) Steve Forman(per)

リーリトナー「In Rio(1979年)」からの作品。
サンバのリズムに乗って流れる、透明感溢れるフルートとガットギターが奏でる幻惑するかの如き不思議なフレーズがいつまでも耳に残ります。しなやかで、そして淑やかなサウンドが美しく響く作品ですね。
また、特筆すべきはエイブの奏でるベースソロ。感情の起伏の激しさをダイレクトに表現した様なサウンドは今聴いても新鮮なアプローチですね。

10.SUMMER DREAMIN'
Malta(sax) Masahiko Sato(Rhodes・p)

マルタ「SUMMER DREAMIN'(1985年)」からの作品。
1分弱の短い曲ですが、シンプルかつ物静かな旋律が美しい楽曲です。その叙情的で洗練されたメロディーはナイーブで悲しいまでに美しくリスナーの心に響きます。

11.MORNING FLIGHT
Malta(sax) Soichi Noriki(Rhodes・p) Masaki Matsubara(g) Akira Okazawa(b) Yuichi Togashiki(d) Norimasa Yamazaki(syn,Glockenspiel) Joe Strings/Concertmaster:Takashi Kato

マルタ「SUMMER DREAMIN'(1985年)」からの作品。
題名からイメージされるように期待感と開放感溢れる、まさに清清しいサウンドです。ストリングス・サウンドがそのイメージをより一層明瞭にしていますね。
この曲でマルタさんは完全にメロディーとアンサンブルに徹しています。その為、イージー・リスニング的な印象をも受けますが、この曲の持つ景観を顕示するには最良の手法とも言えるでしょう。
しかし、岡沢章さんのベースは必聴です。この曲に確固たる躍動感を刻みこんでいます。このベースが無ければこの曲がこれ程まで魅力的になったか・・・それ程までに重要なファクターです。

☆☆☆ ここが私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

今回はオムニバス作品を紹介しましたが、この様なコンピレーション作品を作る場合、そのコンセプトが結構重要だったりします。そうしないとただ単なる「寄せ集め作品」になってしまう危険性がありますから。

そういった観点から考えた場合、今回紹介した「JVC SUPER SUMMER」はある言葉に集約されると考えられます。その言葉とは「開放感と爽快感」です。
流石に「SUMMER」をタイトルにしただけあって、そのサウンドは文字通り「夏」をイメージさせられる作品で満たされています。それぞれの楽曲が持つ夏特有の開放感と爽快感といったイメージは様々ですが、それが一つの作品となった時、一つのアルバムとして、独自の「自由奔放な開放感と、心地良い爽快感」を体感できると思います。そして、結果的に個々の作品の持つ美しさがクローズ・アップされています。

また、このアルバムそれぞれの楽曲を聴いた時、様々な情景や景観と言ったものを体感できると思います。それはクリエーターとリスナーが共通のイマジネーションを感じられる、そんな一体感も魅力の一つですね。

直球だけではなく変化球も時おり混ぜたそのコンピレーションは飽きさせないのですが、我侭を言えばもう少し多彩な参加ミュージシャンの作品を採り入れてもよかったかな・・・と言うところも正直な感想でもあります。

いずれにしても、大衆的にアピールしたドリーミーでメロディアスなリゾート・ミュージックと、チョッとマニアックなフュージョン・サウンドを凝縮したような二面性のある面白いコンピレーション・アルバムです。

☆☆☆ 以上が私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

***1987年のヒット曲*** ろくなもんじゃねえ、サマードリーム、バラードのように眠れ、大きなお世話サマー

それじゃ。また。

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コメント

こんちわ。
毎度ながら的外れで非常に情けない質問・・恐縮です。
ドンとデイブの区別がつかないんですが、奴らは家族なんでしょうか?
もしかして、グルーシン一族なんて一派があるのかな?
・・ちなみに‘ハーレクイン’は持ってますよ。
毎度腰を折るようなコメントですんません。

投稿: elmar35 | 2006/07/18 20:32

elmar35さん。コメント感謝致します。

ご質問の件ですが、お察しの様に実の兄弟です。
デイブが兄で、ドンが弟です。
ご存知かとは思いますがデイブはGRPの創設者(GRPのGはグルーシンです)で一時期は社長に就任していました(現在は離れていますが)ですから一派と言う事ではないのでしょうがGRPに所属していたミュージシャンで彼がプロデュースした方々やその周辺がそれに当たるのかもしれませんね。無論、JVC時代からの親交のあるミュージシャンもですね(ビクター時代のナベサダもその一人ですね。当時の日本公演ではバックにデイヴがいましたね)。
また弟のドンですが、彼は兄に比べれば地味ですがミュージシャンとして活動に専念しつい最近も「The Hang」がグラミーにノミネートされていました。
「ハーレクイン」この作品もいいですね。リトナー好きの私としてもはずせない一枚です。この作品で「エバン・リンス」を知る事にもなりましたし、思い出深い一枚です。

長々とコメントしましたが私の知ったかぶりだと思って許してください。

elmar35さんのお心遣い、感謝するばかりです。

投稿: FUSION | 2006/07/18 21:43

TB,コメントありがとうございます。Fusion最高ですね。私もこのころのものは好きなものが多いです。また遊びにきます。今後ともよろしくお願いします。

投稿: bonejive | 2006/07/22 22:02

bonejive さんへ。コメント感謝致します。

お立寄り有難う御座います。
>Fusion最高ですね。私もこのころのものは好きなものが多いです。
嬉しいお言葉有難う御座います。今後もbonejive さんに喜んで頂けるようなアルバムをレヴュー出来るようがんばります。

こちらこそ、今後も宜しく御付き合い下さい。

投稿: FUSION | 2006/07/22 22:32

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