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2006/08/05

検体番号61 <FISH DANCE(フィッシュ・ダンス)>

61 今回解析するのは、「是方博邦(これかた ひろくに)」<FISH DANCE(フィッシュ・ダンス)>(1987年発表)です。

ギタリストのアルバムが続きますね。安藤まさひろさん、野呂一生さん・・・とくれば、我が心の師、是方さんを紹介しない訳にはいきませんね。忘れたりしたらバチが当たりそうで・・・・。

01.DARTS
02.FISH DANCE
03.SHOW BOAT
04.SO LONG・・・KIMMIE
05.FINAL SHOT
06.プリシア(PRICIA)
07.GOLD RUSH
08.キティー快適
09.JUMPIN'DUCK FLASH
10.EARTH WALKER

是方博邦(g)  難波正司、前嶋康明(key)  MIKE DUNN(b)  MARTIN WILLWEBER(d)  大儀見元(per)  野呂一生(g on SHOW BOAT,JUMPIN'DUCK FLASH)  八木のぶお(harp on SO LONG・・・KIMMIE,プリシア)

このアルバムでは是方さんと野呂さんが2曲で共演しています。そう考えると一層興味深いものに感じる・・・かな?

01.DARTS
シンプルな8ビートに、是方さんのブライトで歯切れのよいクランキーなギターが心地良く響きます。ペンタトニックによるトラディショナルなR&RやR&Bのフレーズです。しかし、無駄を一切省いたそのシンプルな演奏は一聴すると簡単に聴こえますが、彼のプレイの繊細なニュアンスを充分堪能できる楽曲です。

02.FISH DANCE
マイク・ダンのチョッパーが印象的なイントロに、小気味よいグルーヴ感を醸し出すギターが絡んでいきます。歯切れの良いトレブリーさに加えて、中低域のネバリの在るギターサウンドがこの曲の持つ柔軟性を上手く表現しています。フィンガー・ピッキングによるギターソロが、その表現力をより一層高めています。

03.SHOW BOAT
この曲の最大のポイントは・・・やはり野呂さんと是方さんの二人によるギター・バトル(チョッと違うかな?)でしょうか。
この二人によるインタープレイは面白いですね。野呂さん独特のハーモナイザー処理したギター・シンセの様なサウンドと、是方さんのフィンガー・ピッキングでのアタックを生かした尖鋭的なサウンドが織り成す独特の世界は実に面白いですね。どちらかと言うと是方さんが野呂さんに歩み寄った感じのサウンドとフレージングが印象的です。しかし・・・二人ともディストーションといった凶器を使用していないところに潔さを感じます(笑)
テクニックよりもアイディアが光る作品です。

04.SO LONG・・・KIMMIE
是方さんらしさが滲み出た、優しくて切ないほどに哀愁を感じさせるブルージーなナンバーですね。胸が痛くなる程の想いを込めたプレイと、ナイーブなサウンドが美しく響きます。そのコクのあるブルース・フィーリング溢れるフレーズは絶品です。やはり是方さんがR&Bのアプローチでギター・ソロを弾いた時は一言・・・「ええな~」・・・。

05.FINAL SHOT
ラテン色をほのかに感じながらも、チョッとソリッドで叙情的なギターサウンドが理知的に響きます。このアルバムにおいてリアリティーと言う点で抜きん出ている曲だと思います。明らかに他の曲とは質感といったものが違いますね。
1982年に松岡直也グループに参加して以来、そのギタリストとして活躍しいた是方さんですが、この作品ではリズムと曲の構築術、キメのフレーズに松岡直也さんの影響を色濃く感じます。

06.プリシア(PRICIA)
名曲です!!!。以前紹介した「OTTOTTORIO(オットットリオ)」の「SUPER GUITAR SESSION HOT LIVE」にも収録されていました。正統派の手法でシンプルに歌うバラードは美しさを感じます。そして何処までも叙情的に歌い上げる憂愁溢れるサウンドとプレイは絶品です。ここでも彼最大の持ち味である、ギミック無しのストレートなギターサウンドでの肌理の細やかな感情表現は素晴らしいものがあります。この曲は聴いても、自分が演奏しても万感迫る楽曲です。
実は、オットットリオで演奏されるまでは自分だけの宝物だった一曲ですが・・・仕方ありませんネ(笑)

07.GOLD RUSH
この曲も・・・やはり名曲です。これも以前紹介した、「野獣王国」の「野獣王国 LIVE」に収録されています。それも記念すべき第一曲目にです。
素朴で楽天的な楽曲ですが、包容力のあるサウンドは心躍るような生き生きとした生命力を感じます。明るい未来と言うか、明日への希望みたいな言葉がこの曲にピッタリカもしれません。
のびやかに歌う是方さんの演奏には兎にも角にも「ゆとり」と言ったものが感じられます。それは安心感となりリスナーに伝わってきますね。ここにも彼の優しさの欠片を見つけられます。

08.キティー快適
題名の「快適」が適切な言葉かどうかは別として(笑)、その荒削りで刺激的なサウンドには緊張感すら覚えます。感情の起伏の激しさをダイレクトに表現した様なチョーキングは素晴らしいですね。派手なアドリブはありませんがチョーキングだけでここまで感情表現できる是方さんは・・・やはり凄いギタリストです。

09.JUMPIN'DUCK FLASH
重量感のあるストレートな8ビートに乗って、スリリングな感触のギターが奏でるフレーズに思わず惹き込まれます。
この曲でも野呂さんと是方さんのバトルが聴けます。ダーティーな歪みでジミヘンをも彷彿させる是方さんのストレートで野性的なギターと、技巧的な比重を少なくし、ワイルドなフレーズに重心を置いた野呂さんのプレイが、お互いに主張しつつも実に絶妙のバランス感覚で存在しています。セッションならではの緊張感と期待感を身近に感じられる楽曲ですね。

10.EARTH WALKER
引きずるような重さを持ったビートに、是方さんのまさに地球上を闊歩するか如く悠然と流れるフレーズが爽快ですね。それは宛も精神が高踏するかのようにさえ感じます。この自由な開放感と厳かな孤高の存在感はジェフ・ベック以外に感じた事は有りません。
派手な仕掛けなど一切ありませんが、時にパワフルに、時にソフトにと、緩急自在で柔軟なスタイルは彼の持味ですね。シンプルながら実に奥行きのある楽曲です。彼の隠れた名曲の一つですね。

☆☆☆ ここが私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

今回の作品をレヴューするにあたり、多分に賛否両論があると思います。

先ず、アルバム自体のサウンドが今になってみれば些かチープですし、正直、ギターのサウンド・バリエーションもそれ程に豊富ではありません。そしてフレーズ事態も決して新しい物でも有りません。

しかし、どんな状況でも自分のスタイルを貫くという姿勢は、ミュージシャンとして時には強いパーソナリティーが必要であると言う事をまざまざと感じさせてくれます。
様々なアルバムで彼のギターを聴いていますが、彼のギター・サウンドは不変です。それは彼が常に自分の言葉で自分自身の音楽を表現しようとしているかの様に感じます。これが本当の個性なのではないでしょうか。確かに多くのギタリストの影響を隠せはしませんが、それも是方さんの等身大の姿なのですから。

この作品においてもそれは如実に現れています。彼らしいサウンドが満載で、尚且つ前作「LITTLE HORSEMAN」に比べギターに表情が実にリアルなものになっています。
その理由に関して是方さん曰く「このアルバムからピックをやめてほとんど指で弾いています。」とコメントしていました。確かにフィンガー・ピッキングだと音のコントロールやダイナミックの付け方、と言った繊細なニュアンスが出しやすいのも事実です。
それが理由かどうか定かではありませんが、結果的にメロディアスな楽曲やR&Bといったハートフルな楽曲が俄かに色彩感覚溢れるものになっていますし、ファンキーな楽曲も、よりパーカッシブでリズミックな物に仕上がっています。
今回のアルバムの様にシンプルな楽曲を演奏する場合、感情をコントロールして如何に自己を表現するかが重要か痛感させられます。

また、全編に渡って大儀見さんのパーカッションが実に素晴らしい役割を果たしています。リズム隊がシンプルなだけに、彼が居なければこのアルバムがこれ程までに躍動感や立体感と言った空間を演出されたかどうか・・・重要なポイントを担っています。しかし大義見さんのアビリティーの高さにはいつも圧倒されますね。

しかし、是方博邦というミュージシャンは、ギターという楽器ここまで歌わせる事の出来る数少ない日本人です。彼の内面から滲み出るブルースフィーリングがアルバムの隅々から溢れ出ています。

是方さんのどのアルバムにおいても、彼の奏でる暖かく包み込んでくれる様なサウンドと、無駄なテクニックに逃げる事のないハートフルな演奏には好感が持てます。そこが是方さん最大の魅力でもあるのですから・・・。

☆☆☆ 以上が私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

追伸:是方さんをレビューすると、どうしても客観的になれない自分が・・・・チョッとだけ反省してます。チョッとだけ。

***1987年のヒット曲*** 君だけに、無錫旅情 、六本木純情派 、ガラスの十代

それじゃ。また。

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コメント

こんばんは。
前にも書いたんですが、ず~と前に是方さんのことをよく知らないで演奏を聴きに行ったことがあって。
顔も演奏の仕方も曲もすごくインパクトがあった憶えがあり
ます。
FUSIONさんの日記を読んでいると、もう一回じっくりと聴いてみたくなりました。

投稿: まりん | 2006/08/05 23:54

今までに何回かwebで書いたことありますが、是方さんの場合、ソロよりグループでの演奏を気に入ってよく聴いています。
ソロはあまり聞いていないような気がするんですけど、聞いてみると案外「この曲知っている」というのが多いです。
覚えやすいのでしょうか。

データに関してはTV関連はもう少しあると思います。
是方さんが参加しているアルバム等については野獣王国のファンサイトが詳しいです。僕も少し協力したことがあります。

最後に一言、大儀見元さんですよ。(^_^)

投稿: WESING | 2006/08/06 00:28

まりんさんへ。コメント感謝致します。

是方さん、良いですよね(笑)。彼は結構女性ファンが多いんですよね。
ロマンティックな曲からハードな曲までハートフルな演奏に魅了されます。
>もう一回じっくりと聴いてみたくなりました。
一番有り難いコメントです。感謝致します。

投稿: FUSION | 2006/08/06 10:37

WESINGさんへ。コメント感謝いたします。
先ず・・前回カシオペア活動中止の情報頂きまして感謝致します。

是方さんの件ですが、彼の創り出す楽曲は確かに覚えやすくてシンプルですね。多分、自分を表現する手段としてあえて、そうしているのかな?と思っています。その為か確かにソロよりもグループでの演奏が新鮮で魅力を感じるのも事実ですね。

大儀見元さんの件ですが、この方のセンスはいつ聴いても抜群ですね。目立ちませんが楽曲を活かす演奏は流石としか言い様ありません。
じつは今年に入ってから山木秀夫さん、塩谷哲さん、そして大儀見元さんが出演したある方のライブを見たのですが・・・この方々はやはり素晴らしいの一言でした、特に山木さんと大儀見さんのコンビは実に感慨深いものがありました。

野獣王国のファンサイトですが、私も時々覗いて勉強させて頂いています。素晴らしいHPですね。本当に参考になります。

投稿: FUSION | 2006/08/06 10:50

コメントで書いた野獣王国のサイトで知りました。
是ちゃんの旧アルバム「LITTLE HORSEMAN」「FISH DANCE +1」が8月6日、税込み2500円でユニバーサルミュージックから発売予定だそうです。
「+1」は、お蔵入りになっていたエルトン・ジョンのカバー曲だとか。

両アルバムとも持っているし、お金がないし、当分保留です。

投稿: WESING | 2008/06/30 22:38

WESINGさんへ。コメント感謝致します。

再発の件、私も情報キャッチしていました(笑)。「LITTLE HORSEMAN」はカセット音源しか持っていないのでどうしようか迷っています。「KOBE KOREKATA」なら迷わず予約なのですが・・・しかし、この所フュージョン関連の再販が多くなっている様な・・・そう感じるのは私だけでしょうか・・・?
ほしい物が多すぎる今日この頃です。

投稿: FUSION | 2008/06/30 22:45

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