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検体番号64 <GOOD GROOVE(グッド・グルーヴ)>

64 今回解析するのは、「GRAFITTI(グラフィティー)」の<GOOD GROOVE(グッド・グルーヴ)>(1993年発表)です。

皆さんは、それぞれ「お気に入りの一枚」と言ったものが必ず有ると思います。
それでは「隠しておきたいお気に入りの一枚」とかありませんか(笑)。私の場合、今回紹介する作品がそんな一枚なんですよね(とっくに知ってた・・・失礼しました)

01. Moonshine
02. Mean Machine
03. Tickle Me
04. Don't You Understand?
05. Good Groove
06. We Ate
07. Do You Think It's True?
08. In Time
09. In the Pocket

Hakon Graf (Key) Dennis Chambers(d) Gary Grainger(b) Ulf Wakenius(g)

この作品、バンド名が示す様にkeyのGrafと言う名前をもじって「GRAFITTI」としたのかな?プロデューサーもグラフ本人なので・・・多分そうでしょう(未確認)。

しかし、デニチェンとゲイリーのリズム隊は強力ですよ。ジョン・スコフィールド・バンドのボトムを支えた二人ですから・・・もう音とか想像できちゃうでしょう(笑)。以前に紹介した「Getting Even」でもこの二人は息の合った熱いプレイを披露しています。

Ulf Wakenius(ウルフ・ワケニウス)はスウェーデン出身で「Enchanted Moments」ソロアルバムはじめ幾つかのアルバムを発表していますが、日本デヴュー盤は6作目の「Tokyo Blus」です。オスカー・ピーターソン・グループやレイ・ブラウンとの共演等の方が有名だったりしますね。

問題はキーボードのHakon Grafです。この方、ノルウェーのプログレッシヴ・ロック・バンド「RUPHUS」にいた方、・・・と言うインターネット・検索情報しか持ち合わせていなかったりします。この勉強不足と認識不足が「隠しておきたいお気に入りの一枚」最大の理由だったりします(泣)。何方か詳しい素性を教えてください。実に素晴らしいプレイヤーです。

01. Moonshine
デニチェンの量感豊かなドラムと、ゲイリーのブライトで歯切れの良い低音のスラップが抜群のグルーヴ感を演出したコンテンポラリーなファンキーナンバーです。
キーボードが奏でるキャチャーで精悍なメロディーに、ダイナミックで特異なジャズフレーバー漂うギターソロが絶妙に絡み合ってタイトなサウンドを構築しています。

02. Mean Machine
艶のある理知的なサウンドと、パワフルで音圧のあるサウンドが混然となったダイナミックかつ爽快な作品です。そのふくよかでどっしりとしたリズムと、ナイブーでストイックなギターとキーボードのフレーズはリスナーに緊張感と安心感を同時に提供してくれます。このコンフリクト感がたまりません。
時に荒々しく、時に繊細にと景観を変えながら流れていくサウンドに思わず惹き込まれますね。

03. Tickle Me
ベースとドラムがタイトに絡み合うチョッと前衛的ながらもジャズとファンクが融合した先鋭的なサウンドが新鮮です。ゲイリーの圧倒的な存在感のスラップによるフレーズと、グラフのインテリジェンスなフレーズがシンクロし、バランス良くそのサウンドが絡み合っています。
しかし、この曲の核となるゲイリーが奏でるタイム感抜群の骨太なベースにはただただ平伏すばかりです。

04. Don't You Understand?
一転して華麗で優しいサウンドがリスナーを魅了するシンプルかつ物静かな旋律が美しいバラードです。特に溢れる歌心と繊細なグラフの演奏は絶品です。
こう言ったナンバーをも情操豊かに聴かせられるところに彼らの懐の深さを感じますね。

05. Good Groove
16ビートを基調としたファンキーなコンテンポラリー・ミュージックです。
ヘヴィーでグルーヴ感抜群のサウンドはやはりこのバンド最大の持ち味ですね。彼らにしては意外なほどギミックなしのストレートな演奏ですが、それが功を奏してか、荒々しいうねりをも感じるパワー溢れるソリッドなサウンドに仕上がっています。
また、音のバランスが良く、低音域から高音域までワイドに響き、それがより一層にワイルド感を高めています。

06. We Ate
地を這うようなベースとドラムのコンビネーションが魅力的なミドルテンポのナンバーです。
ウネリやグルーヴといった感じがよく表現されています。そこにチョッとリリカルなフレーズが加わる事によって実に奥行きの在る立体的なサウンド空間を作り上げていますね。
イントロのメトリック・モジュレーション(?)を効果的に取り入れたドラムソロに思わず微笑んでしまいました。

07. Do You Think It's True?
今度は一転してサンバテイスト溢れる華麗ながらも獰猛なナンバーです。
しかし、そこはデニチェンとゲイリー・・・一筋縄では行きませんよ。リズムの採り方が独特で素直に躍らせてはくれません・・・表現が難しいのですが、アクセントがベースとドラムでポイントそれぞれ微妙に違っていて実にマジカルでラジカルなリズムを構築しています。このリズムは癖になりそうです。個人的に大好きなパターンだったりします(笑)
また、この曲ではリズム隊各々のソロも盛り込まれています。フュージョン・ミュージックの美味しい部分だけを抽出したかの様なサウンドを散りばめた作品で、やはり個人的には非常に嬉しい一曲です(笑)

08. In Time
ライブを収録した一曲です。オープニングのメロディアスで静かなベースソロが終ったかと思ったら・・・そこから先はギターのウルフ独断場です。完全に弾きまくり状態です。ハードロック、JAZZ、BLUS、R&R、挙句の果てにマクラフリン風、ジミ・ヘン風、クラプトン風のフレーズまで飛び出します・・・何でもありです。特にジェフ・ベックの「フリー・ウェイ・ジャム」のフレーズがそのまんま出てきた時には・・・やれやれ(笑)。しかし、この曲でのドラムも凄いですね。アップテンポのハード・ブギでたたみ掛ける、ひたすらヘビーでパワフルにドライブするプレイは圧巻です・・・って彼にしたら普通なんですよね。失礼しました(笑)。

09. In the Pocket
題名が良いですね。「連続性のある一定のリズム・パターンによって生み出されたグルーヴ」という意味らしいのですが、「リズムのツボにはまった時に表現する言葉」だと聴いた事も有ります。
ソリッドでタイトなドラムをバックに華麗でファンキーなスラップが響き渡ります。このヘヴィーでグルーヴ感抜群のサウンドを創り出すデニチェンとゲイリーのリズム隊には驚愕するばかりですね。
メロディーとバックのサウンド対比が明瞭で、緩急を活かした歌う様なラインがこの作品のクオリティに大きく寄与しています。とにかく極上のファンキー・グルーヴを堪能して下さい。

☆☆☆ ここが私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

アルバムタイトルの「GOOD GROOVE(グッド・グルーヴ)」が示す様、実に多彩なファンキー・サウンドが散りばめられているアルバムです。そのソリッドなファンキ・グルーブの塊は、一度ハマったら抜け出せない様な常習性的サウンドです。

また、非常に聴きやすいアルバムでも有ります。確かにテクニック的にも無論凄いのですが、無駄な技巧と難解なサウンドに逃げる事の無い、まさにグルーヴ重視の姿勢がアルバムの端々から溢れ出ています。

特にデニチェンはそのグルーヴ重視の為か、驚くほどワイルドでタイトなサウンドをこのアルバムに刻み込んでいます。また、ゲイリーの輪郭のハッキリした艶やかなサウンドを生かしたファンキーで力強く、そしてハイセンスなスラップは抜群の威力を発揮しています。

綱渡りみたいな危なさといったものを一切感じさせない、その安定感抜群のリズム隊は筆舌に値します。そして、そこから生まれる極上のファンキー・グルーヴは何よりもバンド自体のパワーなってリスナーに伝わってきます。

また、それに触発されるかの如くウルフとグラフのプレイもバッキング、ソロ共に冴え渡っています。決してグルーヴを損なう事の無い自己主張を抑えたプレイで、リズム隊のパワーに負ける事の無い存在感を残しています。

欲を言うならば・・・これにJAZZ的観点からのFUNKY・GROOVEが加わったら・・・更に恐ろしいアルバムになりますよ。これは(汗)

陳腐な表現ですが、このアルバムは引締まったタイトな仕上がりとなっています。そして、作品全体的から放たれる強靭でしなやかなグルーヴによって、確固たる彼達の世界観を構築していますね。それはテクニック以上に、彼達各々のグルーブに対する考え方と感じ方が非常に近似している為によるものと思います。
彼達4人のプレイを聴く度、グルーヴとは音と音・・・メロディーとリズム
対話から生まれる物なのだと痛感させられる作品です。

☆☆☆ 以上が私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

***1993年のヒット曲*** 夏の日の1993、負けないで、YAH YAH YAH、島唄

それじゃ。また。

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コメント

こんばんは。
もしかして、デニ・チェンさんって、ナイアシン(大好き)の
ドラマーの方ではないですか?
 
プリズムも借りてきました^^

投稿: まりん | 2006/08/25 23:18

まりんさんへ。コメント感謝致します。
仰る様にデニ・チェン・・・デニス・チェンバースはナイアシンのドラマーでもありますね。ビリーとのコンビもパワフルでかっこいいですね。

>プリズムも借りてきました^^
1stですね。彼たちにしては一番聴き易いアルバムかもしれませんネ。ファンの一人として気に入って頂けると嬉しいです。

投稿: FUSION | 2006/08/26 15:12

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