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<TRUTH(トゥルース)> 検体番号77

77 今回解析するのは「The-SQUARE(ザ-スクエア)」の<TRUTH」(トゥルース)>(1987年発表)です。

前回、F-1のテーマソングともいえる「TRUTH」(トゥルース)の一件を取り上げましたところ、多くのコメントを頂き正直ビックリしました(皆さん、有難う御座います)それ故、「これは一度じっくりとこの「TRUTH」が収録されたアルバムと向き合おう」と思い、今回アルバム解析をすることに致しました。

01. GRAND PRIX 
02. CELEBRATION 
03. BEAT IN BEAT 
04. UNEXPECTED LOVER 
05. TRUTH 
06. BREEZE AND YOU 
07. GIANT SIDE STEPS 
08. BECAUSE 
09. TWILIGHT IN UPPER WEST
 

(g)安藤まさひろ  (sax,lyricon)伊東たけし  (key)和泉宏隆  (d)則竹裕之 (b)須藤満 (per)仙波清彦on01.02.03.07

実は、このアルバムをきちんと通して聴くのは随分に久し振り(多分3年位)なんですよね。発売当時、飽きるくらい聴きすぎた感があります(笑)

01. GRAND PRIX
スクエアのアルバムのオープニングを飾るには相応しい、瑞々しく躍動的なサウンドが魅力的ですね。6/4拍子を効果的に取り入れたイントロから引き続く歯切れの良いスタッカートが印象的なベースが実に気持ち良いですね。また、曲全体をしっかりとまとめる4分音符の重さというものを感じさせるドラムがこの曲の持つワイルド感を際立たせていますね。

02. CELEBRATION 
前曲とは一変して16ビートを基調とした流れる様なリズミックなサウンドに、デリケートな残響処理されたウォームで艶やかなギターサウンドから弾き出されるしなやかメロディーとがバランス良く絡み合い、スクエアらしいポップで爽快なサウンドを構築しています。
ギター・ソロは一転しエッジの効いたサウンドでトリッキーなリックを取り入れた実にギター小僧好みのフレーズが満載です。また、このアルバムから新加入となる須藤さんの指弾きとスラップを上手く配したベースソロも傾聴ですね。是を聴いただけで彼のアビリティーの高さを感じて頂けると思います。
全体的に盛り沢山の内容とも言える楽曲ですが、あくまでもアルバムの中の一曲として流れを損なわない演奏とアンサンブルは見事。

03. BEAT IN BEAT
軽くステップするか如きシャッフル・ビートが気持ち良いですね。また伊東さんのふくよかで円やかなサックスの音色がやけにこの曲調にマッチしています。そして、なによりも技巧的な比重を少なくし、あくまでも親しみ易いメロディーと軽快なリズムの対比に重きを置いたアレンジが光ります。

04. UNEXPECTED LOVER
安藤さんのスウィートなクリーントーンから紡ぎ出されるナイーブなフレーズが胸を打つナンバーです。その憂愁を感じるフレーズは過去の彼達の楽曲に良く見られるパターンですが、ここでもやはりスクエアらしい実に哀愁漂うクールなサウンドに仕上がっています。またプレイヤー各々がこの曲に自己の感情を注ぎ込んで素晴らしいソロを披露しています。そして、それをディープでデリケイトなリバーブ処理によって惹きたてられていますね。

05. TRUTH
今更説明の必要も無い彼らの代表曲ですね。F-1のテーマソングとして実に多くの方々に愛されたナンバーですね。
イントロの8ビートのパターンのドラムとシンセが奏でるメロディに2少節の終わりで半拍アタマを食ったギターがユニゾンされ・・・そしてB♭-Cでのパワーコードとオーケストラヒット・・・もうアナタはF-1ドライバーに変身です(笑)。しかし、最初の8少節でこの曲の全てをも感じさせる類稀なイントロですね。また、この曲では全編リリコンで演奏されていますが、この音色がこの曲には必要不可欠の存在です。その金属的で独特の浮遊感の有る怪しげなリリコンサウンドはこの曲にマッチし過ぎていますね(笑)
また、安藤さんのギターソロもロック魂溢れる熱く襲いかかるようなサウンドで迫ってきます。またシンプルな8ビートですが、それ故ノリを出すのは非常に難しいのですが、則竹・須藤の創り出すシャープでエモーショナルなリズム隊がキッチリとした仕事をしています。
疾走感と息苦しくなるほどの緊張感とワクワクさせるかの様な期待感と、そして躍動感を上手く表現しきっていますね。今更ながらですが改めて名曲であると認識した次第です。ハードなサウンドに適度にポップな味付けが成されたサウンドは今聴いても魅力的です。
(余談ですが、この曲でのギター・ソロ、如何しても二つのソロを繋げて一つにした様に聴こえるのですが・・・どうでしょうか?)

06. BREEZE AND YOU
イントロのドラムとキーボードが錯綜するフレーズからは想像できない16ビートを基調としたライトで実に小気味よいファンキーなリズムと、軽やかで弾みのあるサウンドが一体となり繰出されるサウンドは、リスナーをも楽しくさせるマジックの様でもありますね。4分音符だけの実に単純なフレーズですが、それがかえって印象的で耳にのこります。しかし、後半に聴かれる和泉さんのピアノ(エレピ?)ソロは相変らずで、その淀み無く流れる華麗で端整なフレーズと演奏はただ聴き惚れるばかりです。そんな和泉さんの作品ですが、スクエアの隠れた名曲だと個人的には思っています。

07. GIANT SIDE STEPS 
軽くステップするかの如き16分音符で奏でられたリリコンとキーボードのユニゾンが気持ちよいイントロが実に印象的ですね。そして、メロディーが持つ牧歌的で優しいメロディーラインはやはり心地良いの一言ですね
また、中盤に聴かれる則竹さんのテクニカルなドラミングと、曲自体の持つふくよかで愛らしいフィーリングがバランス良く絡み合っています。聴いていて軽快なグルーヴが心地良い作品です。
色彩感豊かなアレンジがシンプルな楽曲を印象的なものに仕立て上げています。

08. BECAUSE
ハイエンドがスムースで心地よいディーストーション・サウンドと、何処かエモーショナルな中にも哀愁を帯びたメロディーがバランス良く絡み合い、実に不思議な臨場感を持った作品です。
また、ロックテイスト感に彩られたクールでテクニカルなギター・ソロが冴えています。このソロは当時流行したサウンドを安藤さんなりに消化して彼自身のスタイルとして表現されていますね。
そしてサックス・ソロのバックで響くキーボードに和泉さんのアレンジ・センスの良さを感じます。このバッキングによってサックスが完全にデフォルメされています。このアプローチは流石ですね。

09. TWILIGHT IN UPPER WEST
澄んだ音色が綴る豊潤でピュアなバラードですね。ハートフルで甘美なサウンドと胸を刺すロマンティックなフレーズはやはり聴いていて熱いものが込み上げて来ます。
歌心のあるフレーズに重心を置いたプレイは流石に伊東さんらしいですね。ありふれた素朴なバラードですが、彼の奏でるフレーズは何故か哀感一杯で胸に染みます。
また、この曲は和泉さんの作品ですが、やはりシンセ、エレピのサウンドとフレーズがこの作品のクオリティーに大きく寄与しています。実に適材適所のサウンド・メイキングとリリカルなフレーズ群によってこの曲が持つ毅然とした美しさを実に立体的に演出しています。スクエア史上、最も美しいバラード・ナンバーだと思います。

☆☆☆ ここが私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

スクエア・・・彼達のサウンドについて「商業的な楽曲至上主義的サウンドなどという、ある意味で悪意にも満ちた評価を耳にした事があります。しかし、多分にそれは大きな誤解が招いた認識不足とも言える比喩だと思います。今回の作品のようにF-1と言ったイベントとタイアップした作品等、現在に至るまで多くのコマーシャリズムに乗った作品が多く存在するのも事実ですが、何故にそれがマイナス評価になるのか些か疑問です。それは聴きやすさが災いし、少々物足りなさをも感じるのが最大の原因かもしれませんが・・・?

確かに、スクエアのサウンドは万人向けの耳障りの良いイージー・リスニング的なイメージかもしれませんね。しかし、コアなフュージョン・ファンは難解なリックを如何に正確に速くこなせるかにのみ注目しがちですが、このスクエアはそんな次元で聴くよりも、もう少しグローバルに音楽本来の楽しみ方とも言えるサウンドとメロディー自体の持つ魅力を感じて頂きたいですね。

今回紹介した「TRUTH」(トゥルース)はそう言った観点から見ても実に興味深いアルバムでも有ります。火花散るインタープレイが聴けると言ったそんなアルバムでは決してありません。しかし、その代りカラフルともいえる色彩感覚豊かなフュージョンサウンドが満載です。そのメロディーに光を当てた手法がスクエアらしさと言っても過言ではないと考えています。スクエアの創り出すサウンドは万人に愛聴される要素を持っています。それが多くのリスナーに永い間に渡って愛される所以だと思います。特にこのアルバムで垣間見えるスクエアの真骨頂とも言うべき「親しみ易さとはこのグループの最大の魅力であると再認識させられました。

また、安心して聴ける明快で流れる様なフレーズ群はやはり気持ちが良いですね。しかし、このアルバムではそれだけに留まらず、アレンジ力、演奏力、表現力、等において彼らのスタイルが確実にステップ・アップした頃のサウンドですね。このアルバムからベースの須藤さんも参加し、以降、スクエアの屋台骨を支える須藤・則竹コンビのリズム隊もその片鱗を確実に見せてくれています。(しかしこのアルバムでは確実に機能するまでには至っていませんが・・・)

そして、このバンドのリーダーでもある安藤さんのギターサウンドはハードロックのエッセンスを全編に散りばめ、そこに彼本来有する優雅なメロディーセンスを融合させる事によって、他のアルバムより万人にアピールする親しみやすいサウンドに仕上げています。それは曲創りにも共通する安藤さん最大の持ち味と言えるでしょう。そして、それがスクエアのサウンドになっている点は現在のスクエアを見ても何ら変わる事のスタイルですね。

このアルバムを発表した1987年時点でデビュー9年となるのですが、その間に培ってきたスクエアというバンド・サウンドの特色を、この<TRUTH」(トゥルース)>というアルバムにも、当たり前の事ですがスクエアがスクエアであると言うファンダメンタルな部分を改めて感じるのでした。それは、2007年現在でデビュー29年になる現在の彼らのサウンドを聴いてもその根元は揺るぎ無いのですから。

☆☆☆ 以上が私的FUSION(フュージョン) ☆☆☆

***1987年のヒット曲*** 君だけに 、愚か者 、サマードリーム 、嵐のマッチョマン

それじゃ。また。

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コメント

こんにちは。スクエアのサウンドは「グローバルに音楽本来の楽しみ方とも言えるサウンド」と言うのは同感です。でも、もともと力のあるメンバーなので、所々にさりげなくでてくるリックはコピーバンド泣かせでもありました。私も名曲だと想うBREEZE AND YOUもイントロの部分をあわせるのが大変でした!またTRUTHのギターソロですが、コピーもしましたけど、確かに忙しいフレーズではありますが、安藤さんの教則ビデオでも一応弾いていましたので多分パンチインはしていないと想いますが・・・と想って改めて聴いてみたのですが、そんな感じも若干しますね。

投稿: auiki | 2007/03/24 00:00

auikiさんへ。コメント感謝致します。

>もともと力のあるメンバーなので、所々にさりげなくでてくるリックはコピーバンド泣かせでもありました。
そうでしたね。以前にコピーしていたと言うコメント頂きましたね。
仰るように、個々の演奏能力の高さは現在の彼達の活躍を見ても明らかですね。特に須藤・則竹コンビはこのアルバムが発表された時の年齢は24歳位でしたので、それを考えても当時としては若手の中でも際立った存在でしたね。

TRUTHのギターソロについてですが、御意見有難う御座います。正直、私の完全な憶測ですので・・・不安になってきました(恥)

投稿: FUSION | 2007/03/24 18:31

このアルバムと次の「YES NO」が大好きなアルバムです。
それまではフュージョン・バンドの一つ程度の好感度だったんですけど、これで一挙にカシオペアを追い越しました。
「TRUTH」はF-1のために作った曲じゃないけど、すごく合ってますよね。これをF-1のテーマに選んだ人は偉い!(笑)

投稿: WESING | 2007/03/25 23:35

WESINGさんへ。コメント感謝致します。

>このアルバムと次の「YES NO」が大好きなアルバムです。
なるほど、確かにこのアルバム二枚は当時のスクエアを象徴する実に興味深い作品ですね。特に「YES NO」では須藤・則竹コンビの評価も高くなりましたし、メロディーと演奏面が当時のメンバーとしては充実した作品でしたね。

>「TRUTH」はF-1のために作った曲じゃないけど、すごく合ってますよね。これをF-1のテーマに選んだ人は偉い!(笑)
そうですネ。同感です!

投稿: FUSION | 2007/03/26 18:26

来ましたね、ついに、Truth。
私は、このアルバムが伊藤さん参加の作品中で一番好きです。
Breeze 〜もいいですね。
Twilihgt〜は同様の構成のバラードが何曲かシリーズ的に別のアルバムにありますがその中でこれが一番のできだと思います。
和泉さんのピアノがすばらしいですね。
メンバー入れ替えを繰り返しながら安藤、伊藤のフロントでは最高のメンツになった時期かと思います。
個人的には伊藤さんが本田さんに変わったときのNEWSというアルバムがベストです。

投稿: bonejive | 2007/03/27 11:50

スクエア初心者です。
楽器演奏はまったくできませんが、最近スクエアにはまり始めました。どうぞよろしくお願いします。

casiopea vs thesquareのDVDを購入しそればかり見ています。
私、個人的にはsquareの前半の演奏パートの曲すべていいとおもっています。個人的な意見ですみません。

文乱雑ご容赦ください。

投稿: 初心者 | 2007/03/27 16:55

bonejiveさんへ。コメント感謝致します。

仰る様に、伊東たけしさんが参加したスクエアの作品としてはいまだに人気の高いアルバムですね。演奏、楽曲ともにスクエアの特色が滲み出た名盤ですよネ。また、ご指摘のように和泉さんの存在が非常に際立っていますネ。

>個人的には伊藤さんが本田さんに変わったときのNEWSというアルバムがベストです。
NEWSでの本田さんのSAXには私も驚かされました。スクエアの持ち味を活かしつつもバンド全体においてテクニック的な面が飛躍した記念碑的アルバムですね。
私もこのNEWS大好きです。

投稿: FUSION | 2007/03/27 19:00

初心者さんへ。コメント感謝致します。

はじめまして。お立寄り有難う御座います。
casiopea vs thesquareのDVD・・・良いですよね。まさかこの二つのバンドが共演し、しかも映像まで世に出されるとは、凄い事ですネ(笑)
確かに、このDVDでの演奏とチョイスされた楽曲は新旧合わさり非常にファン心理をくすぐるものでした。見ていて飽きないですね。

今後も宜しくお付合い下さい。

投稿: FUSION | 2007/03/27 19:07

毎度です!!!

私もこのアルバム良く聞きましたよ。
でも、何かもの足りないんですよね m(-_-)m
曲自体はみな素晴らしいんですけど???

でも「TWILIGHT IN UPPER WEST」は名曲ですよ(≧∇≦)

投稿: ごまちゃん | 2007/03/31 11:15

こんにちは。
またまたスクウェアを取り上げてくださって
ありがとうございます。
さらっとBGMのように流れているように聞こえますが、
彼らの曲はなかなかパワーのある曲が多いと思うのです。
それに和泉さんの綺麗なピアノの曲を聴いていると、
自然の中にいるような気分になることができます。

スティーピーさんの「ゴールデン・レイディ」って
いいですね。
CDがほしくなりました。

投稿: よっこ | 2007/03/31 13:45

ごまちゃんさんへ。コメント感謝致します。

>でも、何かもの足りないんですよね
仰る事はよく理解できますが、多分、それは聴き易さが災いした所以だと思います。ですから、結果的に優等生的な作品になっていると思います。

>でも「TWILIGHT IN UPPER WEST」は名曲ですよ
同感です!良いですよネ

投稿: FUSION | 2007/04/01 11:37

よっこさんへ。コメント感謝致します。

>彼らの曲はなかなかパワーのある曲が多いと思うのです。
そうですね。安藤さんはどちらかと言うとロックアプローチの楽曲が多かったりしますしネ。そしてきっちり計算されたサウンドメイキングも特筆すべき点だと思います。

和泉さんのセンスと華麗なピアノはいつ聴いても素晴らしいですね。

投稿: FUSION | 2007/04/01 11:44

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