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<美しい夕暮れ~バラード・セレクション~> 検体番号87

2008年、今年初めてのアルバムレビューは勿論FUSION・・・と言いたいところですが、今年は少し趣向を変えまして、、、

87 今回紹介するのは「須川展也(すがわ のぶや)」の<美しい夕暮れ~バラード・セレクション~>(1997年発表)です。

前回、ブログの休止期間中に様々な音楽と出会えて・・・云々・・・と書きましたが、以前より気になっていたミュージシャンがおりまして、この期間にその人の音楽を是非とも聴いておこうと思い立ちこのアルバムを手にしました。

01. マイ・ラヴ My Love
     「シュシュポスの夢」より
  Nobuya Sugawa with Strings

02. 美しい夕暮れ Beau Soir
    Nobuya Sugawa with Strings

03. 星に願いを When You Wish upon a Star
    「シュシュポスの夢」より
  Nobuya Sugawa with Strings

04. ジュ・トゥ・ヴ  Je Te Veux
    「ノスタルジア」より
  Harp.山崎祐介
    Vn.篠崎正嗣,山本誠一郎
    Va.井野邊大輔 
    Vc.苅田雅治

05. ラヴィン・ユー  Lovi'n You
     「シュシュポスの夢」より
  Nobuya Sugawa with Strings

06. アディオス・ノニーノ  Adios Nonino
    「Cafe 1930」より
  Pf.小柳美奈子
  Bandneon.啼鵬

07. ジムノペディ~第1楽章  Gymnopedie 1
  「ノスタルジア」より
  Harp.山崎祐介
    Vn.篠崎正嗣,山本誠一郎
    Va.井野邊大輔 
    Vc.苅田雅治

08. サイバーバード協奏曲~第2楽章「悲の鳥」
  「サイバー・バード-須川展也サクソフォン協奏曲集」より
  ディヴィット・パリィ・指揮、フィルハーモニア管弦楽団
   Pf.小柳美奈子 Per.山口多嘉子

09. 追憶のテーマ  Theme of "The Way We Were"
  「ニュー・サウンズ・スペシャル」より
  岩井直溥・指揮、東京佼成ウインドオーケストラ

10. ドント・クライ・フォー・ミー・アルゼンティーナ Don't Cry for me Argentina
  「イノセント・ドールズ」より
  Trouvere Quartet

このアルバムは主にクラシック・フィールドで活躍されているSAX奏者・須川展也さんが過去に発表されたアルバム群(こちらを参照)から、タイトルの如く、バラードをチョイスした言うなれば「ベスト・アルバム」と言う事になるのでしょうね。

因みに、私が須川さんのサウンドを始めて聴いたのは、2002年にNHKで放映されていた朝の連続テレビ小説「さくら」のテーマ音楽を聴いたのが最初でした。実に凛として清々しくも美しいサウンドに心惹かれたものの、調べたら東京芸術大学卒業で格式高い数々のコンクール等で輝かしい成績、そして東京芸術大学の講師・・・という凄すぎる経歴にしり込みし購入を先送りしていた次第です(苦笑)。私にとってクラシックは敷居が高い別次元の音楽なのです。

そして、昨年の11月に、とあるCDショップに立ち寄ったところ、JAZZコーナーで彼の名前を見つけ、「さくら」のテーマーを思い出し今回のCDを購入した次第です。
それでは、数ある須川さんのアルバムから何故にこの作品を選んだのか?・・・答えは簡単!知っている曲が一番多く収録されていたから(笑)なんですよネ・・・これが!。それと、やはり入門編としてはベスト盤が最適かと思いました。
さて、結果から言うと・・・何故にもっと早くこのアルバムを購入しなかったのかと後悔しました。実に素晴らしい作品が一杯詰まった「素敵」なアルバムです。

このアルバムはバラード・セレクションと言う事もあり、特にメロディーの美しい作品が収録されています。曲目をご覧になればお解かりの様に皆さん何処かで必ず耳にした事が有る超メージャーな定番とも言える楽曲ですが、この歌い尽くされた感の有る作品を、ものの見事に雅量に富んだ作品へと昇華させています。
そして何よりも、このアルバム全てのトラックに優しさと愛情が満ち溢れ、それが極々自然に存在しています。刺激に疲れた耳には優しく響き、そして、自然の光が放つ輝きにも似た暖かく包み込むようなそのサウンドに身を委ねているだけで平和な安らぎを与えてくれるのです。

また、このブログをご覧の方々はフュージョン・ファンが多いと思われます。そして、多分に「派手なインタープレイ」や「手に汗握るインプロビゼーション」等を期待してしまうかもしれませんが・・・そのお気持ち、充分に理解できます(笑)・・・しかし、クラシックにおいてはインプロビゼーションといったものは恐らくそれ程に重要なファクターでは無いのかも知れませんが、このアルバムを聴く限り、アドリブ云々よりもメロディー本来の持つ魅力を最大限に引き出す手段として、類稀なメロディー・フェイクの素晴らしさが光っていますね。そのメロディーをモチーフとしたフェイク的なフレーズを繊細できめ細かい表現力によって上手く聴かせたソロが実に心地よく響いています。そして其れを安定感のある高度な演奏技量(ここではあえてテクニックとは言いません)によって一音一音のニュアンスを大切にして歌い上げています。この上なく清らかで流麗で、彼の紡ぎ出すそのフレーズは抑揚が在り、語りかける様な存在感をも覚えます。そして、何より彼の演奏には兎にも角にも「ゆとり」と言ったものが感じられ、それは安心感となりリスナーに伝わってきます。

須川展也さんの魅力を大衆的にアピールしたメロディアスなサウンドを凝縮したアルバムです。シンフォニックなアレンジとイージー・リスニングと言ったジャンルの感覚をエッセンスとして導入した事によって、多くの方々に音楽自体を純粋に堪能できる絶品なバラード集です。

このアルバムを一つの切欠として今後、もっと須川展也さんのサウンドに触れて見たいと思っています。

***1997年のヒット曲*** 硝子の少年、出逢った頃のように 、明日 春が来たら 、幸せな結末

それじゃ、また。

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コメント

ども!新領域への第一歩ってとこでしょうか。(笑)
この方を私は全く知りませんが、察するにトーンは絶品でしょうね。
仰るようにインプロの重要性は彼らのようなジャンルでは問う方が酷というものでしょうから、あくまでプレイヤーのスタンス次第なのでしょう。
練られたアレンジをじっくり楽しみたいものですネ。
機会があれば聴いてみます・・ご紹介頂き感謝します。(笑)

投稿: elmar35 | 2008/01/09 21:31

elmar35 さんへ。コメント感謝致します。

今年はチョッと変化球から入ってみました(笑)
本当はフュージョンのベスト盤を紹介しようかと思ったのですが、この須川展也さんをどうしても紹介したかったのです。本当にこの方のトーンとアーチキュレーションは絶品です。そして何よりも自然に・・・極々自然に「音楽」を奏でています。
今回は耳に馴染みの作品ばかりですが、クラシック然としたアルバムを是非、私も聴いてみたいと思わせます。

因みに本多俊之さんとも交流があるようです・・・ますます気になるミュージシャンですネ(笑)

投稿: FUSION | 2008/01/09 21:51

お邪魔いたします。
クラシックはここ数年よく聴くようになりましたが、まだまだ超初心者です。クラシックの醍醐味は『譜面の指示をどう解釈して演奏するか』にあると想っています。その意味でメロディフェイクは重要なファクターになりますね。またクラシックの特に管楽器奏者は音が綺麗ですね。機会があれば聴いてみたいと想います。

投稿: ayuki | 2008/01/09 23:53

トルヴェール・カルテットwith本多俊之のアルバムは買ってます。
トルヴェール・カルテットを聞いても他のアルバムも聞いてみたいとは思わなかったんですけど。(苦笑)

その他、須川さんについては、僕の知っているミュージシャンとの共演をTVで何度も見ています。
と言っても、須川さんのサックス・プレイがどんなだったか覚えていないけど。(^_^;

クラシックの演奏者では宮本文昭さんのオーボエがすごく良い音色で印象に残っています。

投稿: WESING | 2008/01/12 12:12

ayukiさんへ。コメント感謝致します。

仰るようにクラシックは「譜面の指示をどう解釈して演奏するか」が至極重要ですね。私もブラスバンドにいたころよくそれを指摘されました(・・・といっても次元か違いすぎますが)。
クラシック奏者は音色が実に綺麗で、あくまでもそれが彼たちにとっては(クラシックを生業とする方々)にとっては普通なのだと認識した次第です。

投稿: FUSION | 2008/01/12 16:08

WESINGさんへ。コメント感謝致します。

そうですか!「トルヴェール・カルテットwith本多俊之」持っているのですね。それと結構いろんなミュージシャンとコラボされているようですね。全く知りませんでした。これを機会に須川さんをもう少し研究してみたいと思っています。


投稿: FUSION | 2008/01/12 16:11

こんばんは。
いつものことですが、FUSIONさんの解説を読んでいると
すごく聴きたくなります。
>メロディー本来の持つ魅力を最大限に引き出す手段として、類稀なメロディー・フェイクの素晴らしさが光っていますね。
というところに惹かれます。
イージーリスニングもよく聴いていたのを思い出しました。

投稿: よっこ | 2008/01/12 20:45

こんばんは。私サックスですが今だにこの方の演奏聴いたことありません。
このレビューで是非聴いてみたいと思いました。
管楽器の持つ美しい響きを楽しむのであればクラシックかもしれませんね。
マウスピースによりジャズ・フュージョンとクラシックでは別世界の音色。
どちらが良いかは趣味の問題ですが、その時々の精神状態で心地よさを感じるものが違うかと思います。
ギターほどのバリエーションはないかもしれませんが。

投稿: bonejive | 2008/01/12 22:16

よっこさんへ。コメント感謝致します。

このアルバムはクラシック奏者の作品といった先入観を持たずに是非聴いて頂きたいアルバムですネ。本当に綺麗で優雅な作品が一杯つまった素敵なアルバムです。特に女性の方には強くお奨め致します(笑)

投稿: FUSION | 2008/01/14 14:08

bonejiveさんへ。コメント感謝致します。

>その時々の精神状態で心地よさを感じるものが違うかと思います。

仰るとおりですネ。音楽から得るイマジネーションは聴き手の精神状態によって同じ曲でもその時々によって大きく違ってきますネ。
また、その楽器本来が持つ美しい音色を、類稀な感情表現によって演じる須川展也さんのプレイヤーとしての魅力を感じられる一枚かと思います。

投稿: FUSION | 2008/01/14 14:17

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