キエリ・ミヌッチ(1995年)の作品。
キエリ・ミヌッチは日本国内においては今ひとつ知名度が低いギタリストですが、スペシャルEFX(現在はジョージ・ジンダがお亡くなりになられたので活動休止・解散状態です)というバンドでのギタリストと紹介した方が馴染み深いかもしれませんね。
そんな彼が初のソロ・アルバムを出す言うので手にした一枚です。
実にコンテンポラリーで多彩な作品群に加えて、洗練された曲の流れに逆らう事無くメロディックなフレーズを聴かせるタイプのギタリストですね。確かなテクニックに裏打ちされたプレイは、その安心して聴ける楽曲群との相乗効果によってリスナーに充実した響きをもたらしてくれます。
正統派の手法でシンプルに歌うバラードは美しさを感じますし、ジャズフレーバーを散りばめた曲には彼のルーツをも感じます。また、アコースティック・ギターも一音一音のニュアンスを大切にして実に美しく響かせています。そこに彼のギター・サウンドに対するナーバスで一義的なものを感じます。時に映画のサントラ的な作品も有り、この曲が実に興味深いですね。またレゲエ調の曲、日本情緒をも感じる曲と多彩ですが、一つのアルバムとして聴きやすく、散漫さと言ったものは微塵も感じません。そんな中、組曲風で難解なフレーズと独自の浮遊感や壮大な世界を刻み込んだイリュージョン的な「JEWELS(PARTS1-4)」に彼の凄さを見せ付けられるのでした。
また、参加ミュージシャンも総勢19名クレジットされています。この参加ミュージシャンを適材適所に配置して創りだされた緻密なサウンドは彼独自の技法と言っても良いでしょう。決してテクニック的な面を強調し過ぎない点にも好感が持てます。
各々の楽曲に彼が考えるギターインストの在るべき姿を明確に打出し、尚且つ作品の隅々までに美意識が感じられる作品です。