キース・ジャレット(1975年)の作品。
一年のうち、そう何度も聴く事は無いのですが、たまに無性に聴きたくなるアルバムが有ります。それがこのアルバムです。
あまりにも有名すぎるアルバムですね。1975年1月24日、キース・ジャレットが西ドイツ・ケルン、オペラ・ハウスで催した完全即興ライヴです。
ピアノ一台で完全にキース・ジャレットの世界をこの一枚に封じ込めています。そのピアノから紡ぎ出されるサウンドは空間を漂いながら自然に融けていく・・・そんな自然で美しい旋律と、透明感の高いサウンドが一体となり独特の語り口で綴られた美しい作品です。少し肌寒い空気感が漂う澄んだ空間が広がり、そこに映し出される優しさを感じる演奏とそのサウンドは誰も真似ることのできない独創性といったものを超越し、彼自身が心に描いたものを忠実に再現出来た作品なのでしょうね。鋭い感性と比類なき創造力はただ驚くばかりです。立体的で奥行きのある空間芸術とも呼べるサウンドを繰り広げています。 瞬発感があり、時に高貴で理知的で流麗、そして野性的で躍動感に溢れ・・・様々な感情の起伏と情景といったものを丹念に描写しながらも自己の内面を表現したかの如きその手法は見事ですね。

実は、私が生まれて初めて見た外人ミュージシャンのコンサートが彼だったのです。当時学生だった頃、コンサートの警備・搬入・搬出のバイトをしていました。当然、キース・ジャレットの事は名前だけ知っていた程度で、そのサウンドに触れた事は有りませんでした。その時のコンサートはトリオで予定されていましたが、当日になり様々な問題が発生し(苦笑)、急遽キース・ジャレットのソロ・コンサートに変更されたのでした。JAZZコンサートでもあり、モギリを終えた私は空いている席に腰掛けてコンサートを見ることが許されましたが、その時の感動が忘れられず直ぐにLPを購入し、後にこのCDも手に入れた次第です。
そのバイトで私が直接「寿司」を楽屋に持っていった時、チョット神経質で怖そう(その時いろいろ問題があったのも原因なのでしょうが)でしたが「・・・サンキュー・・・」と言った声をいまだに覚えています。若かりし頃の思い出でした。